ダラムサラに沈む 基本情報編


物価の安いインドで沈没してしまう人は多い。沈没地も理由も人様々だ。お気に入りの沈没地をひとつ選ぶとすれば、私は迷わずインドの小チベット、ダラムサラを挙げたい。涼しい気候、山の景色、コンパクトな街、居心地のいい宿、食環境、ツーリスト用インフラ、長期滞在に求めるものがすべて揃っているように思える。この町にはチベット人、カシミールなどの山岳民族出身者が多く、典型的なインド人はむしろ少数派だ。皮肉にも、最もインドらしくない場所がインド最強の沈没地なのである。そんなダラムサラの町を攻略してみたい。(以下、断りのない限りマクロードガンジ地区)



旅行時期: 2009年3月後半
為替: 1ルピー = 1.88円
作成日:
2009.06.02

目次

ダラムサラは麓の市街地から山の上の村までカバーする大きな町。ダライラマ公邸のあるマクロードガンジ(1770m) は山の斜面にへばりつくように建っている。山の上なので、涼しくすごしやすく、眺めもいい。街はバスターミナルを基点に広がっており、徒歩圏内に必要なものがすべて揃っている。ダライラマ公邸くらいしか大きな見所はないが、NGOやヨガコースなどで長期滞在する外国人は多い。僧院 がいくつかあるので、町ではエンジ色の袈裟を着たチベット人をよく見かける。彼らが町で買物しているのはごく普通の光景であり、道をゆっくりと歩く姿はとてもスタイリッシュだ。観光地にありがちな擦れた人や押しの強い人達は見当たらず、町は落ち着いている。現地人相手の店は月曜休みが多い。冬は寒く、山間部なので気候は不安定で雨が多い。ベストシーズンはよくわからない。おそらく他の避暑地同様4-6月。

宿


一定水準を満たしたゲストハウスがたくさんある。 主にBhagsu通りJogibara通りに固まっている。小奇麗 なホットシャワー付ダブルが150-400ルピーくらい。Jogibara通りは山側の眺めがいいが、坂になっているので歩くのに疲れる。ただし Jogibara通り自体なんでもあるので特に不便はない。インドの他の町と比較して、宿のコストパフォーマンスは高い


 写真: Jogibara通りのゲストハウス

交通

  

バス・ターミナル周辺にすべて集中している。チケット売り場の前の広場がバスの乗り場。Lower Dharamshala 行きの乗り合いジープは広場の西側で客が集まるまで待機している。Mall Roadを少し入ったところがタクシー・スタンド、Main Roadを少し下りたところがオートリキシャ・スタンド。 基本的に料金は行き先ごとに決っている。

マクロードガンジからマナリーやデリーなどへツーリストバスが毎日出ている。マクロードガンジ発のバスは少ないので、他の町へはLower Dharamshala発のバスに乗る。Lower Dharamshalaへ行くバス自身も本数が少ないので、乗り合いジープ(10ルピー)が便利。逆にデリーからダラムサラにバスで行く場合、メインバ ザール発、マジュヌカティラ(チベット難民の村)発、メインバスターミナル発などいろいろある。

写真: 町の中心、バス停

補足

オートリキシャ運賃 (片道/往復)

  • Bhagsu村 (30/60)
  • Dharamkot 村(50/90)
  • Dal湖(60/100)
  • Naddi村(100/150)
  • Dharamsala market (100/?)
  • Dharamsala bus termnail (120/?)
  • LTWA (50/?)

長距離バス

  • HRTC
    デラックス/Volvoバスのスケジュールやオンライン予約。座席指定も可能らしい。
  • デリー発バス:
    私がメインバザール発の夜行バス(4:30PM発)に乗った時は、実はそれはマジュヌカティラへの送迎バスで、そこに待機している複数のバス会社のバス(6:45PM発)に各自チケットを確認して乗り換える、という落ちであった。ちなみにそのバスは Bedi Travel’s(450ルピー)で乗客は8割チベタン、2割外国人の比率だった。

ツーリスト用インフラ

  • インターネット – そこら中にあり価格も平均的(一時間30ルピー)。 ラップトップ用の席のあるところや、WiFi Caféなどもあり。ただ回線が不安定な時がよくある。
  • ATMはState Bank of Indiaがバザールにひとつ。Naddi村とTCVの入り口前にPunjab National BankのATMあり。ただしPNBはマスターカード系のネットワークのみ。より栄えている麓の町(Lower Dharamsala)まで降りていけばATM複数あり。マネーチェンジャーでキャッシングをした場合、3%の手数料がかかる。
  • Bhagsu通り、Hotel India Houseにあるドラッグストア風のお店。日用雑貨・食料品が豊富で夜遅くまで開いている。
  • Temple通り、ダライラマ公邸近くの文房具屋はなかなかの品揃え。

街の情報

  • 地図 – マクロードガンジは狭いので地図はガイドブックのもので十分。
  • 英字の月刊フリーペーパーContactが旅行会社、観光局、ツーリスト向けレストランなどで手に入る。内容はチベット関係と地元のニュース、ヨガコースやボランティア募集の告知などが中心。
  • Nest&Wings社がDharamshalaというタイトルで、町の情報をまとめた地図付きの小冊子を発行している。トレッキングやホテルの料金付一覧が充実。情報は少し古いがホテルはダラムサラ以外の町も多くカバーしている。本屋で入手可能(60ルピー)
  • McLlo Restaurantのウェブページ 

食事

インドの他の町で食べられる料理に加え、モモやトゥクパなどチベット料理も食べられる。ヒンズー教ではなく、チベット仏教の聖地なのでノンベジ料理が期待できる。 ローカル系、ツーリスト系、共にチキンやマトンを使った肉料理を出すところが多い。Jogibara通り沿い のMcLlo, Jimmy’s Italian, OOgo’s あたりではペペロニやツナのピザも食べられる。 その他、豚肉を食べられる店が2軒ある。滞在中、マトンの足のスープを出す屋台もあった。 ミート・イーターの人でもなんとか生きていけそうだ。

豚肉の食べられる店

  • ChuSum:  Jogibara通りバスターミナル近く。中華料理。チキン、マトン、豚肉を使った各種中華料理がある。特に豚肉はめったに食べられないので貴重。まともな中華料理が食べられるというのになぜか客層は現地チベット人が多い。
  • Korean Café [ri:]: Bhagsu通りGreen Hotel下。韓国料理を出すカフェ。メニューにプルコギ(豚肉)あり。

写真: 左  おなじみモモ屋台 (5個10ルピー), 右:マトンの足スープ(25ルピー)でゼラチン補給

娯楽

  • 映画館: Jogibara 通りの郵便局とMountain View Hotelの間くらいにある。英語字幕付きチベット映画と英語の映画が上映されている(100ルピー)。中は20席ほどで、DVDをプロジェクターで流すスタイル。
  • テレビ: BBCやESPNなど定番に加えて、なぜか近隣諸国の番組が沢山見られる。約50チャンネル。チャンネル番号は私の泊まった宿の場合。これらの放送は受信衛星もバラバラなので、ケーブルテレビ会社がまとめて提供しているものと思われる。Jimmy's Intalian Kitchen隣のビルのアンテナ群があやしい。 
番号 チャンネル名 主要言語 内容、番組 表
22 コミュニティ チャンネル チベット語 チベット関係の映像の上に地元広告の垂れ流し。たまに議会中継がある。  Free Tibet TVと勝手に命名
25 西藏卫视(藏语) チベット語 XZTVのチベット語チャンネル。韓国や中国のドラマをチベット語に吹きかえたものが多い。  番組表 
28 四川卫视 中国語 SCTV-1, 総合番組。 番組表 
29 ネパール 1 ネパール語 ネパール初の衛星チェンネル。 
37 青海综合 チベット語 
中国語
青海电视台の総合チャンネル。 番組表
49 星空 中国語 STARグループの娯楽チャンネル。 XingKong
50 PTV News ウルドゥ語 パキスタンのニュース専門チャンネル。英語ニュースの時間あり。
81 ブータン放送 ゾンカ語
英語のニュースやドキュメンタリーもある。

その他、映画チャンネルの中で、次の2つはたいてい英語字幕がついているので英語の学習に役立つ。

27 Star Movies 英語 香港のSTARチャンネル 地域でインドを選択
35 Zee Studio 英語 インドのZeeチャンネル

写真: 左:Free Tibet TV。 右: ブータン TV

補足

まとめ

町の特徴を挙げていくと、景色や居心地のよさなど、ネパールの沈没地、ポカラに近い気がする。しかし、ネパールは根深い問 題をいくつか抱えている。長時間の停電や一日あたり2ドルのビザ代など。今のところ南インドでは、ダラムサラの代わりは見当たらない

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