トリウンド 裏ルート・トレッキング

ダラムサラ、チベット亡命政府があるこの町がトレッキングの拠点であるということはあまり知られていない。トラベルエージェンシーの店先にはトレッキングのコースがいくつか紹介されている。その中で最も手軽で人気があるのが、トリウンドという草原へのトレッキングである。早速、旅行会社で情報を集めることにした。



旅行時期: 2009年3月後半
為替: 1ルピー = 1.88円
作成日: 2009.06.02

目次


イントロ

万年雪を抱えるダウラダール山系。ダラムサラのすぐ北側に広がっていて、インドラハラ山(Indrahar)の頂上部分はマクロードガンジ(1770m)か, らでもよく見える。その手前の山の尾根の部分が草地になっていて、トリウンドと呼ばれ、雪山ビューポイントとなっている。

トリウンドへのトレックは日帰りが可能で、体力のある人は、その先のスノーラインと呼ばれる万年雪のある場所までいける。ホテル街のあるマクロードガンジから歩いた場合、トリウンドまで9km、行き5時間、帰り4時間かかるらしい。スノーラインまでさらに1時間半の登りがある。いろいろ調べた結果、ガイドなでし日帰り可能と判断した私は久々のトレッキングに出かけることにした。なお、ガイドの相場は一日400ルピー、ランチなどついたグループ向けツアーに参加した場合は800ルピー程かかる。

写真: マクロードガンジからの眺め。通称ムーンピーク

トリウンドへの道

トリウンドに加え、スノーラインまで足を伸ばしたかったので、登山口のあるグル寺までオートリキシャを使い時間を節約することにした。グル寺(2500m?)自体けっこう山の上にあり、リキシャはダラムコット村経由で20分もかかった。悪路の登り坂で客一人しか乗せられないという話だ。

8時に登山スタート。トリウンドに続く谷の麓にはバグス村があるのだが、登山口はそこからかなり西に位置している。谷の方 向に向かって歩き始める。道はよく整備されており歩きやすい。基本的に山腹の道を歩くので見晴らしもいい。近くの山村だけでなく、遠くの平野部の町まで見通せる。一時間ほどして売店が見えてきた。ここから雪山の方向にさらに一時間ほど歩いて10時にトリウンドに到着した。

写真:
  上: ダラムコット(中央右),バグス(左下)を左手に見ながら進む。マクロードガンジは中央の森の向こうで少ししか見れない。
  左: 谷に近づいてきた。ここまで登ると、マクロードガンジ(右上)も上から見下ろせる。<
  右:3月後半のこの時期、ヒマラヤシャクナゲの花(rhododendron)が咲いていた。

トレッキング情報

所要時間

  • マクロードガンジ - トリウンド 
    (ダラムコット、ガル寺院経由)
    9km, 行き5時間、帰り4時間 
  • ガル寺院 - トリウンド
    行き2-3時間、 帰り1-2時間 
  • トリウンド - スノーライン 
    行き 1-2時間、帰り 1時間
  • マクロードガンジ - ガル寺院
    オートリキシャ 20分、250ルピー 
  • 裏ルート
    トリウンド - バグスの滝 2-3時間 
    バグスの滝 - バグス村 20分
    バグス村 - マクロードガンジ 2km 
    分岐がわかりにくいのでガイドが必要。 

その他

  • ガイド: 一日400ルピー
  • 売店:  トリウンドまで途中 1軒、トリウンドに2-3軒、スノーライン 1軒。3月中旬の場合 
  • ロッジ: トリウンドのロッジ。事前予約必要。または洞穴で野宿。

到着

トリウンド(2900m)は稜線沿いの草原地帯になっており、北側には雄大なダウラダール山系が南側にはマクロードガンジやバグス村をかなり上の角度から見下ろすことができる。売店が2,3軒営業していて軽食もとることができる。ロッジも一軒あるが事前に森林局で予約が必要。なお、すぐ近くに岩の洞穴があり、売店でも寝袋をレンタルしている。

写真: 上: 正面に雪山と売店。 右: トリウンドを上から見下ろすと、売店が3店。左:トリウン唯一のロッジ。

補足

トリウンドの売店の価格

  • チャイ 15
  • 水1L 25
  • オムレツ 30 
  • ラーメン 35 
  • 寝袋レンタル 50/day

スノーラインへ

30分ほど食事休憩をとった後、スノーラインへ向かった。ロッジのある左手方向にある丘をどんどん登っていく。タルチョの旗がある辺りで道が右に曲がり、後はわかりやすい道がスノーラインまで続いている。1時間ほどで着いたものの、そこにあるのは一軒の売店と丘の北側に積もった万年雪それだけだった。立派な氷河のようなものを想像していたのでちょっとがっかり。スキー場に行ったことのある人なら何でもない風景。それでも5、6組すれ違ったので一応ポピュラーな目的地らしい。売店でチャイを飲んでトリウンドに戻った。

写真: 左: スノーラインとはただの万年雪エリア、  右:スノーラインの売店


もうひとつのルート

実はひとつ気になることがあった。トリウンドへのルートは2つあり、ひとつは朝来た正式ルート。もうひとつはバグス村の滝のあたりに到着する観光客はほとんど利用しないルート。あるガイドブックによると、”タフで冒険的だが景色はいい”らしい。時間に余裕があったのでこちらのマイナールートで下ることに決めた。ルートに関しては何の情報もないので、スノーラインの売店で知り合ったガイドに案内してもらうことにした。


1.スノーラインとは逆の方向に尾根を進んでいく。最初はトリウンド同様草地が多いがだんだん岩場の割合が多くなってくる。尾根を横断しているだけあり、景色が両側に開けている。



2. 右側にはマクロガンジーなどの村々。トリウンドでは谷の先に見えていた景色が、今度は横から見える。



3. 正面には平野部の町並みが広がる。このエリアは方向的に正式ルートからは見られない。朝来た道より数段ダイナミックな景色が続く。足場の悪さもこれはこれで楽しい。



4. 尾根をかなり進んだ後、やっと斜面を下り始めた。 岩の瓦礫の道をまっすぐ下っていく。



5. 途中、夏の放牧用の小屋を通過して、バグス村をすぐ下に見ながら下っていく。



6. 最後急で長い下りを経てやっと川に到着。川を渡ったところにシバ・カフェがある。ここからすぐ近くにバグスの滝がある。ガイドが飛ばしまくったため、3時間のルートを90分で走破してしまった。おかげでルートの詳細を確認する余裕がなかった。

帰り道

その後、バグスの滝とシバ寺院を見学て、マクロードガンジに戻った。帰り道、今降りてきた山を眺めてみる。よく見ると、瓦礫の道も放牧用の小屋も確認できる。よくもまあこんなルートで…と思わず微笑んでしまった。 この茶色い山はマクロードガンジや近隣の村からもよく見える。滞在中、この山の稜線が視界に入る度にニヤニヤしてしまう自分がいた。

  写真: 裏ルート。番号は前項の写真の位置(推測)

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