マナリーのアクティビティを攻略

インド北部のヒルステーション(避暑地) マナリー。5、6月の暑い時期になるとインド人観光客がどっと押し寄せる。新婚カップルや家族連れに人気で、来ている人達が金持ちそうなのが特徴だ。そんな「インドの軽井沢」「インドのスイス」と一部で呼ばれるコテコテの観光地マナリー、インド人ツーリストは何をして楽しんでいるのか、探って見たい。



旅行時期: 2009年4月前半
為替: 1ルピー = 1.98円
作成日: 2009.06.02

目次


ソランバレー

マナリーからバスで1時間のソランバレー。冬はスキー、夏は丘スポーツとマナリー近郊で一番の人気スポット。マナリーから5時間かけてトレッキングしてきた私は自分へのご褒美として、人気アクティビティに挑戦してみることにした。

補足

アクセス

マナリーから13km。路線バスあり (8:00AM, 2:00PM, 4:00PM、1時間) 到着後そのまま帰りのバスになる。タクシーだと600。オートだと片道150

パラグライダー


 ソランで一番目立っているアトラクション。別途トレーニングコースもあるが、ほとんどのツーリストは、スタッフとのタンデムで一回飛ぶだけだ。その日は平日で観光客は少なめだが、女子高生が遠足に来ており、次から次へと飛んでいった。女子高生がほとんど飛び終わった後、値段交渉。協定価格800ルピーから、500ルピーまでディスカウントできた。それでも高いがしょうがない。ハーネスを付け、パラグライダーを操るスタッフの前に座る。いい風が来ると、2人で丘を駆け下りて飛び立つ。一度浮上すると体に固定されているクッションに座って景色を楽しめる。まっすぐ飛ぶのではなく、左右に急旋回しながら飛ぶので、なかなか麓の写真がきれいに撮れない。飛行はゆっくりなものの、時間的にはあっというまに麓に着地。ほんの2,3分のフライトであった。


写真:上: 麓に下りてくるパラグライダー。左、ハーネス兼クッションをつけた女子高生軍団。 右: 上空からの眺め

補足

パラグライダー

  •  料金:  800 -> 500

ゾービング(Zorbing)

とてもキャッ チーなアトラクション、通称人間用ハムスターボール。 直径4メートル程のボールを空気で膨らます。 中心部が空洞になっており、その中に人間を2人固定しておいて丘から転がす、というお 笑いウルトラクイズで使いそうな乗り物。一回200ルピー(->100)。 小さく開いた穴に頭から入り、ベルトで体を内壁に固定する。なぜかスタッフももうひとつの席に座り、2人で転がり開始。腰と足は固定さているものの、手は自由なので写真やビデオは撮れる。ほんの100メートルくらいのライドだが、最後のほうは少し酔ってきた。短い距離でよかった。


写真: 上: 回転中。スタッフが横から勢いをつける。 左: 外側に空気を入れる。内側の空洞がずれないようにロープでバランスをとっている。手前の小さな入り口から飛び込んで入る。  右: 回転中の様子。ボールは半透明でも、回転中、外の景色は見えない。

補足

ゾービング

  •  料金: 200 -> 100

シバ寺院へのホースライド


ソランバレーの丘の麓では馬を引き連れた男性がうろちょろしており、シバ寺院までのホースライド(350->250)を進めてくる。往復6キロの道のり。シバ寺院のすぐ裏は、万年雪をかぶった山(になっており、寺院の近くでスキーができるらしい。歩いてでもいけるが、今回馬で行くことにした。丘の近くの川に沿った道を雪山に向かって進む。30分ほどで到着。寺院への道は整備されており、予想通り自分で歩いたほうが早かった

寺院のまわりは雪で覆われているものの、平らな地面は裏庭程度の広さしかなく、とてもスキーどころではない。ソリ用のスロープと通路 を兼ねたスロープがあるのみ。一応観光客相手の売店とチューブライドなどの有料アトラクションは営業していた。

肝心のシバ寺院は、そこに行く階段が雪に覆われていて、靴を脱いで上がる気にはならなかった。代わりに階段手前の寺院で kadai milkをご馳走になった。

写真: 左: 馬を引く男の歩くスピードがボトルネック。 右: この階段の上にシバ寺院がある。"please take off your shoes"
 

補足

ホースライド

  • 料金: 350 -> 250
  • スキーレンタル: 200
  • チューブライド: 50

マナリーのスキー事情

マナリーは、私が知る限り、インドで3番目に有名なスキーエリアである。一番がカシミールのスリナガル近くのグルマルグ、2番目がチベットに程近いアウリそしてマナリーのソランバレー。それぞれインドでは珍しくスキー場にリフトがある。私がマナリーを訪れた3月後半はソランのスキーシーズン(12月-2月)は既に終わっており、もう一つのロタン峠のスキー場のシーズン(4月終盤から)はまだ始まっていない。それでもインド人観光客が雪遊びをする場所は常にどこかに用意されており、この時期ならグラバという場所がポピュラーだ。マナリーのスキー事情を、推測を含めて分析してみたい。

スキーレンタル

それほどスキー客が多いわけではないのに、スキーレンタルを商売にしている店は多い。マナリーからソランやロタンへ行く道路の道沿いには100を越えるスキー装備やスキースーツのレンタルショップが軒を連ねる。たいていは掘っ建て小屋のような佇まい。一応公定価格 はあるが交渉次第。スキー装備、スノースーツ、ガイド(コーチ??)込みで一日500ルピーが相場。

写真: 上: グラバの斜面を登る子供。 右: 道沿いのスキーレンタル屋。見つけやすいように店に番号が振られている。

補足

冬のマナリー市内


スキーレンタル

タクシーハイヤー

以下、各スキースポットのタクシー料金は待ち時間込みの往復協定価格。たいてい100-200程度ディスカウントできる。

ソラン

まずはすでにシーズンが終了しているソラン(solang)から。既に雪がない丘にはリフトが2台。山の上まで行くものと、初心者用スロープの上まで行くもの。ガイドブックには.1.5kmのコースとあるが、そんなに距離があるのか疑問。見た目は、日本でいえば遊園地に付属しているスキー場のようなスケール。


写真: 左:  山の裏側へ続くリフト  右: 休憩所から初心者用スロープの上に続くリフト

補足

アクセス

  マナリーから13km。路線バスあり (8:00AM, 2:00PM, 4:00PM、1時間) 到着後そのまま帰りのバスになる。タクシーだと600。オートだと片道150。


  • シーズン: 12 -2月

ロタン

次は、ロタン峠(rohtang)。シーズン前なので写真でしか判断できないが、けっこう広そうで、一応スキーはできそうである。ただしリフトはない。

補足

アクセス

  マナリーから51km。峠が開通すればバスはあるだろうが、その前にスキー場だけオープンする可能性もある。その場合、タクシーをチャーター(往復1500)するか、観光局のツアーに参加するしかない。


  • シーズン: 5月始めくらいから

グラバ

グラバ(gulaba 3200m?)ソランとロタンの間のつなぎのスノーエリア。ロタンがまだ雪が多すぎてオープンできない時期に活躍する。場所はPalchanからロタン峠に向かう道の途中にある。 ここしかオープンしていないので行って見た。場所は道路沿いではなく、車をとめて300メートル程歩いた先にある。そこには急な斜面の雪山と即席の売店があるくらい。斜面が急すぎる上、なだらかなスペースもないのでまともにスキーなどできない。スキーを楽しみにしてきたインド人観光客が不憫に思えてきた。実際、スキー装備をレンタルしてきた人は、斜面の下の通路に当たる部分で前に滑る練習をしていた。期待値が低いのならばこれもアリかもしれない。ここは、普段雪など見ない人が雪遊びをする場所と考えたほうがいいだろう。ヤクライドとチューブライド(100ルピー)あり。


写真: 上段: 斜面下の通路がスキー練習スペース。 左上: グラバの斜面。右上: チューブライド  

補足

アクセス:

  マナリーから20km?くらい。バスはないのでタクシーをチャーター(700->500)するか、観光局のツアーに参加する。グラバやロタンはオートでは行けない。

  観光局のツアーは、朝10時に出て、グラバ(2時間ストップ)、ソラン(1時間ストップ)など4箇所を回り、5時にマナリーに戻ってくるもの。250ル ピー。


  • シーズン: 不明。多分 3-4月。
  • アトラクション
    • チューブライド: 100
    • ヤクライド: ?

その他のスキー場所

その他、名もないスキー場所がいくつかある。ソランからDhundi(7km) に向かう途中に1つスキーのできる100メートル程の斜面が道路沿いにある。すぐ下に工事現場がある。 ソランから徒歩20分のシバ寺院の近く。スキーはできないが雪遊びはできる。

マナリーで有名なのが、高地スキー。ヘリコプターで山の上まで行き、そこで滑るというもの。上級者向け。これだとインドで世界一安いスキーをするつもりが世界一高いスキーになってしまう。 

こう見てみるとマナリーのスキー環境のしょぼさが目に付く。インドで一番のスキー場、グルマルグは、パキスタンとの紛争地域に近く、辺境好き以外にはお勧めできない。結局、インドはスキーをする場所ではないという、予想どおりの結論にいきつくのだった。

写真: dhundi近くの斜面。滑る、板を担いで登る、の繰り返し。
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