プシュカル・パスポート
ガートを歩いていると必ず遭遇するのがプリストのプージャの押し売りだ。プリスト(僧侶)は基本的に特定のガートにいて、プシュカルでのプージャ(祈りの儀式)の作法を指導してくれる。あれよあれよと言う間に花を渡され、いわれたとおりに家族の名前を読み上げ、湖に投げ込むことになる。そして最後に寄付を求められる。一部の人を除いて正式なプリストのようだが、問題は外国人には高いドネーションを吹っかけてくることにある。相場を調べてみると、
- ラフガイド(08) インド人は21ルピーか51ルピー支払う。外人は後者で十分。
- フットプリント(09) 50で十分
- ロンプラ(07) 相場の記載なし
- ホテルの人 10-20ルピーで十分
インド人10-20, 外人50が相場の目安のようだ。プリストは最初、家族の数 x 100ルピー程度要求してくるものの、渋ると50ルピー(1ドル相当)まであっさり落ちてくる。自分は20ルピーだけ支払った。同意した金額支払うと、腕に赤い紐を巻いてくれる。これがプシュカルパスポートと呼ばれるもので、これを見えるようにしていれば他のプリストから同じような押し売りをされなくてすむことになっている。プリストのちょっかいを無視し続けてガートを散歩するのはほとんど無理なので、たいていの外国人はプシュカル滞在中このパスポートを腕に巻くことになる。
しかしよく見てみるとありふれた模様のこの紐、自作の可能性を感じたのは言うまでもない。ある時、道でからんできた子供に
「これはどこで売ってるんだ」と腕をまくって見せると、こちらの意図を理解したのか近くの駄菓子屋に案内してくれた。店主に何か話すと、奥から紐の大量に入ったビニール袋が出てきた。紐は、全く同じデザインで、一塊3ルピー。
写真: 左上: 本物の紐と駄菓子屋の紐。たっぷり10人分は作れそうだ。右上: 言えば奥から出てくる。
あっさり攻略したものの、この発見を素直に喜んではいられない。何しろこの町にはイスラエルと韓国の長期滞在者が多いらしい。食堂の看板もヘブライ語とハングルが幅を利かせている。言っては悪いが彼らはケチで有名だ。東西の倹約チャンピオンの彼らがこの裏技を知らないわけがない。
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