観光砂漠、サム砂丘を攻略

 

本格的なキャメルサファリの前に、ツーリステックな砂丘を体験して見てみることにした。サム村のあるサム砂丘はジャイサメールから42km南西にある大きな砂丘で、毎日サンセットを眺めに沢山の観光客が訪れる。行った人の旅行記などを読むと、だいたい「人が多くて雰囲気台無し」「ゴミだらけ」「物売りがウザイ」などと総じて評判が悪い。そう聞くととますます行ってみたくなるもので、観光局が毎日催行しているツアーに参加することにした。



旅行時期: 2009年1月後半
為替: 1ルピー = 1.81円
作成日: 2009.06.02

目次


ツアーに参加

観光局(Tourist Reception Centre)のサンセットツアーはジープの送迎のみで150ルピー。旅行会社では扱っていないので直接ガディサールモン近くのオフィスで申し込むことになる。その日は欧米人カップル2組と私の5人が参加。ジープが7人乗りなのでちょうどいい人数だ。職員の話によると、キャメルサファリをしたい人はサム砂丘手前5キロのところで降ろすのでそこでラクダに乗り換えることになるという。200ルピー。砂丘にもキャメルドライバーはたむろしているが、彼らはタチが悪いやつが多く、ちょっと歩いて100ルピーとか取るらしい。せっかくなのでラスト5キロはラクダで行くことにした。

  

3時に出発したジープは40分ほど舗装道路を走ったところで、道路わきに待機しているキャメルドライバーと合流。欧米人 カップル1組と私の3人で砂丘を目指すことになった。らくだは一人1頭つくものの、らくだ使いは2人。私にはアリ少年、白人カップルにはおじさんがついた。歩く道は予想通り西部劇の荒野のようなところで半分はジープ道。 遠くに見える砂丘以外は特に面白い景色でもない。左手側にはタール砂漠国立公園の柵が見える。サム砂丘は入園許可が必要な国立公園のすぐ外側にあるようだ。最初はラクダを引きながら歩いていたアリ君だが、すぐに楽したいのか後ろの鞍に乗ってらくだを操りはじめた。しばしの会話の後、機嫌よく歌を歌い始めたかと思うと耳元でチップがどうのこうの囁くのだった。初っ端からいやな展開だ。40分ほど歩くと目的のサム砂丘に到着。すでに砂丘にはかなりの先客がいた。

写真: 上:ジープ道を歩く。 下: すでにたくさんの観光客がいた。

補足

観光局のサム砂丘サンセットツアー

Sam Sand Dunes SunSet Tour

  • Jeepの送迎:150ルピー
  • 出発3:00PM 解散7:30頃
  • キャメルライド: +200ルピー

延長ライド


ここで終わりかと思いきや、あっさり最初の丘を通り過ぎ、奥へ奥へと進んでいく。他のインド人観光客がいない静かできれい な場所を目指す。風紋が荒らされていない砂丘を越えながら20分ほどぶらぶらしたところでラクダから降り休憩。この時点でサンセット(6:15)までまだ2時間近くもある。しばらく写真を撮ったりくつろいだりした後、人の多い砂丘の入り口付近に戻ることにした。やはり賑やかなほうが楽しい。一人で歩いていこうとすると、アリ少年もついて来る。どうもアリ君もラクダも私専属で、基本的にサンセットが終わって、駐車場へ戻るところまで一緒のようだ。

写真: 上:奥のきれいな砂丘まで進む。 下: 影で遊ぶのが好きなアリ少年。

補足

アリ少年



商売人

駐車場に一番近い砂丘の丘に戻ると沢山のインド人観光客、フリーのらくだ使い、物売り、ジプシーなどがたむろして日が沈 むのを待っていた。アリ少年も私が一人でぶらつくので暇なのか、他の観光客に一回100ルピーのキャメル・レーシングを売り込む。これは全速力でらくだを走らせ2,3小さな丘を越えて帰ってくる10分程度のもの。私も試したが、かなり揺れるので貴重品には注意。物売りは主にジュースやスナック菓子を砂漠価格で販売。例えば10ルピー(20円)のLay’sのポテトチップスを12ルピーで駐車場の売店で仕入れて、15ルピーでインド人観光客に、20ルピーで外国人に売りつけるというニッチな商売。それでも安いのでついつい買ってしまう。ジプシー家族は楽器の演奏や販売で日銭を稼ぐ。ダンス付きの演奏がカメラを持ったインド人に人気だ。


写真: ジプシー一家。親が演奏、娘が踊る

補足

ジプシー一家の歌と踊り

  • 一曲 10ルピーより

サンセット

サンセットポイント、といってもそこら中にある砂丘の丘の頂上部分から日没を見届ける。その後、再びらくだに乗って駐車場 まで下りていき、自分のジープを見つける。

 さ て最後にアリ君への支払いの時間。先日の価格調査のせいでチップ不要論者となっていたものの、サービスもよく、拘束時間も長かったので100ルピーのチップを加えて300ルピー支払うことにした。それでもアリ君には不満らしく”キャメルレーシングもしたのに…”と悲しそうな顔をするのであった。

決断

終わってみればそこそこ楽しめたサム砂丘ツアー。物売りのしつこさも予想の範囲内。かかった費用は送迎150 + キャメルサファリ (200 + 100) の計450ルピー。4時間のツアーでキャメルサファリの一日分の料金に並んでしまった。ホテルなどでアレンジしているサンセットツアーは一体いくらするのだろうか。 

予想以上の出費であったが今回の体験でキャメルサファリが言うほど面白くないことに気づいたのはよかった。帽子をかぶっていたがとにかく暑かった。本格的なサファリは朝夕を中心に歩くとはいえ一日5時間もらくだに揺られることになる。廃墟の村などいろいろなスポットを回るものの、途中の景色は今回と同じ荒野のような場所が大半。2,3泊するものならもっと立派な砂丘に出会えるかもしれないが、サム砂丘も奥のほうへ行けば結構きれいで広い。労力に見合うだけの感動が得られる可能性は見出せなかった。

きれいな星空なんて砂漠で震えながら野宿しなくても田舎ならどこでも見えるわけだし、ムーンサファリもどうでもよくなってきた。と、ネガティブマインドに染まりきった私は、先日さんざんリサーチしたにもかかわらず、泊まりのキャメルサファリに申し込まないことを決めたのだった。

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