インド鉄道の達人になる

インド鉄道は奥が深い。 全国に広がる豊富なルート、多様な客車、複雑な運賃・予約システム、進化するウェブサイト。高速鉄道こそないが、マニア心をくすぐる要素がそろっている。初心者向けの基本情報は他の優良サイトに任せて、この記事では一歩進んだインド鉄道の情報を紹介したい。


目次: Top | 地域別 | ジャンル別
地域: インド - 全般
ジャンル: 鉄道

旅行時期: 2009年前半
為替: 1ルピー = 1.91円
作成日: 2009.06.09

目次


インド鉄道紹介サイト

インドを含む海外鉄道のガイド

Wikipadia

IndiaMikeの特集記事

シゲタトラベル

客車のクラス

まず最初に客車クラスのコードと設備をおさらい。全部で9種類。等級コードは本文中で頻繁に使います。

コード 名前
意訳
予約 A/C 設備
1A
(AC1)
First Class AC
デラックス・エアコン・2段寝台
必要 寝台 寝台2段。2人または4人部屋。洗面台、部屋 に鍵。寝具は無料。
2A
(AC2)
2 tier AC
エアコン2段寝台
必要 寝台 寝台2段。4人スペースをカーテンで仕切り。 通路逆側は上下2人スペース。個人用ライト。寝具は無料。
3A
(AC3)
3 tier AC
エアコン3段寝台
必要 寝台 寝台3段。6人スペース。カーテンの仕切りなし。通路逆側は上下2人スペース。
SL Sleeper Class
エアコンなし3段寝台
必要 寝台 寝台3段。6人スペース。カーテンの仕切りなし。通路逆側は上下2人スペース。扇風機、ほとんどの長距離列車では、この車両が一番多い。
FC First Class
エアコンなし2段寝台
必要 寝台 AC1のエアコンなし版。
EC Executive Chair
デラックス・エアコン座席
必要 座席 Shatabdiのみ。席がCCよりデラックス。
CC
(ACC)
Chair Class
エアコン座席
必要 座席 リクライニング・シート。日本の特急列車のイメージに近い。座席は同じ方向を向く。 2x3。壁にコンセントあり。
2S Bokable 2nd class
座席指定の二等座席
必要 座席 二等座席に同じ。予約可能。
II Unreserved 2nd class
二等座席
不要 座席 硬いベンチシート。対面の座席。3x3。扇風機

予約枠

インド鉄道には、軍人枠、鉄道職員枠、始発駅枠など数多くの割当てがあり、一般枠の席が売切でも、枠によっはま だ席がある。外国人が使用可能な枠は4つある。

説明
一般枠(GN) 駅の窓口、インターネット、旅行代理店で購入可能。常に混んでいる。WLあり。
外国人旅行者枠(FT) 外国人用窓口でのみ購入可能。割当は少ないが、競争も少ないので一般枠よりは取りやすい。FTの設定のない列車も多い。 デリーやコルカタのように”専用”オフィスがあればいいが、窓口のひとつが”女性枠”、”軍人枠”、”外人枠”などの他の特別枠と共用になっている場合、一般の列と変わらないくらい並ぶことになる。WLはない。
女性枠(LD) 未調査。オンラインでも購入できそう。
Tatkal枠 駅の窓口、インターネット、旅行代理店で購入可能。出発の5日前から販売される緊急枠。列車のクラスとシーズンにより15−300ルピーの追加料金が発生する。基本的にはその列車の始発駅から終着駅までの運賃を支払う必要があるが、Tatkal利用率の低い列車ではこのルールは緩和されている。追加料金は固定なので、元の運賃が高いと割安感がある。WLあり。

一般枠が満席でも外国人旅行者枠が空いていることはよくある。実際にどれくらいの席が割り当てられているのか調べてみ た。はっきりとした法則は見つけられなかったが、多くても10席程度、普通は2-4席くらい。デリーなど大都市発の列車に割当が多い。


画像: ERAILで外国人旅行者枠を調べる。6/11の3Aは売り切れ。FT枠にWLはない。6/8は出発時間に近すぎるため(窓口で)購入できなくなっている。

外国人旅行者枠チェック結果

表の見方: 寝台の場合、1AC,2AC,3AC, SL。座席の場合、EC,CC,FC,2S。行き/帰り。調査対象日: 2009年6-7月。

Shaabdi/Rajdhani 1AC
(EC)
2AC
(CC)
3AC
(FC)
SL
(2S)
コメント
Delhi -> Kolkata (寝台)
  2302/2301 Rajdhani
  2314/2313 Rajdhani

2/1
0/0

8/4
4/2

10/7
4/6

N/A
N/A
デ リー -> ガヤ、ガヤ -> コルカタで区切っても同じ結果。3Aより2Aのほうが需要があると思うが、3Aのほうが客車が多い分だけ、割当も多い。
Delhi -> Mumbai  (寝台)
  2952/2951 Rajdhani
  2954/2953 Rajdhani

2/0
2/0

8/6
4/2

8/10
8/6

N/A
N/A
デリー-コルカタと同程度の割当。デリー発のほうが逆方向より割当が多い。
Delhi -> Amritsar (座席)
  2013/2014 Shatabdi
  2029/2030 Shatabdi
  2497/2498 Shane Punjab

4/0
4/0
N/A

6/0
5/0
4/0

N/A
N/A
N/A

N/A
N/A
6/0
逆方向は混まないからかFTの設定無し。比較としてShane Pubjabも加えた。
Delhi -> Agra (座席)
  2002/2001 Shatabdi
4/2 5/8 N/A N/A 旅行者の比較的多い列車。全体でFT10席程度。
Chennai -> Bangalore (座席)
  2007/2008 Shatabdi
  2027/2028 Shatabdi

0/0
0/0

5/10
10/10

N/A
N/A

N/A
N/A
上に同じ。
トイトレイン関連 1AC
(EC)
2AC
(CC)
3AC
(FC)
SL
(2S)
コメント
Kolkata - > NJP (寝台)
  2343/2344 Darjeeling Mail 
0/0
2/0
0/0
11/0
ダージリン・トイトレインへの接続列車。行きはあるが、帰りが割当無し。SLの多さが意味不明。
Delhi -> Kalka (座席)
  4095/4096 Himalayan Queen 
N/A
2/0
N/A
6/0
カルカ-シムラ・トイトレインへの接続列車。行きはあるが、帰りが割当無し。
NJP -> Darjeeling (座席)
  1D/2D Darjeeling Toy Train
N/A
0/0
N/A
0/0
ダージリン・トイトレイン
なぜか割当無し。
Kalka -> Shimla (座席)
  241/242 Shivalik Delux Exp
N/A
8/8
N/A
N/A
カルカ-シムラ トイトレイン。
8席も割当あり。
Jan Shatabdi/Garib Rath 1AC
(EC)
2AC
(CC)
3AC
(FC)
SL
(2S)
コメント
Delhi -> Chandigarh (座席)
  2057/2058 Jan Shatabdi
N/A 2/4 N/A 6/6 ビジネス路線。割当あり。
Munbai -> Goa  (座席)
  2051/2052  Jan Shatabdi
N/A 0/0 N/A 0/0 割当なし
Delhi -> Amritsar (週3便、混在)
  2203/2204 Garib Rath
N/A 0/0
(CC)
0/0
(3A)
N/A 割当なし
Delhi -> Varanasi (週3便、混在)
  2354/2353  Garib Rath
N/A 6/0
(CC)
6/6
(3A)
N/A 割当あり
 Express/Mail 1AC
(EC)
2AC
(CC)
3AC
(FC)
SL
(2S)
コメント
Kolkata -> Puri (寝台)
  2837/2823  Puri Express
1/2 2/2 4/4 12/2 割当 あり
2312/2311 Kalka Mail (寝台)
Kalka -> Delhi
Delhi -> Kolkata
Kalka -> Kolkata (通し)

0/0
0/0
0/0

0/2
10/2
0/0

0/0
0/0
0/0

0/9
16/9
0/3
始発駅のKalkaより、途中駅のデリーのほうが割当が多い。
Delhi -> Jaisalmer (寝台)
4059/4060  Jaisalmer Express
N/A 4/1 4/2 4/0 行きとくらべ帰りが少ない。
Munbai -> Goa (寝台)
1111/1112 Konkan Kanya Exp
0/0 8/2 4/2 6/4 行きとくらべ帰りが少ない。
Delhi -> Varanasi (寝台)
2506/2505 North East Express
2816/2817 Puri Express
2402/2401 Magadh Express
4056/4057 Brahmputra Mail

N/A
N/A
0/0
N/A

2/0
2/0
4/0
2/2

4/0
4/0
4/0
2/4

4/0
22/4
4/6
12/4
デリー発は沢山。帰りのバラナシ発は途中駅なので割当が少ない。

予約枠

FT枠

  • 外国人用窓口一覧
  • 外国人旅行者枠のある列車は約200といわれている。
  • 一般枠がチャート作成時間近く??まで買える一方、外国人枠は締め切りがやや早い。

枠の座席数の推定方法

  • ERAILで90日後くらい(予約開始直後)の各枠の空席状況を見る。インド鉄道の枠は、発車当日まで調整されない。

Tatkal Charge例

  • 2AC/3AC: 200/300
    CC: 75/150
    安いほうの料金が2,3,8月のオフシーズン・プライス

RACとWait List

仕組み

インド鉄道では、満席でも予約を入れてウェイト・リスト(WL)に名を連ねることが普通に行われる。お金を先に払ってキャンセル待ちするのだ。ウェイト・リストの若い番号なら、出発までに席が確定する可能性が高い。その理由としては、

  • キャンセル料が安いので、とりあえず予約を入れている人がいる。そういう人はキャンセル料が高くなる2日前まで に予約を取り消すので、ウェイト・リストの番号がどんどん繰り上がっていき、最終的には座席にありつける。一般枠と違い、他の特別枠は当日まで埋まらないことある。それらの空席が、当日座席チャート作成時にリリースされ、ウェイト・リストの人に割り当てられる。
  • さらに、外人枠でも女性枠でも軍人枠でもない、割当数不明の「よくわからない枠」 が3A/SLで1割ぐらい。1A/2Aでは2−3割程度あり。それらも当日リリースされる。これが一番大きい。


不確定要素が強いため、WLで予約を入れる旅行者はあまりいない。しかし、インド鉄道を最大限活用するには、WLの理解は避けて通れない。 IndiaMikeのRAC/WLガイドは、超力作なので一読をオススメする。チケットがウェイト・リストの状態では列車に乗車できない。インド鉄道にはRAC(=Reservation againt Cancellation)という面白い仕組みがあり、座席は確定していないが、とりあえず列車に乗って席が空くのを待つことができる。RACは2A,3A,FC,SLなどの寝台席でのみ利用される。RACの人達はRAC用に用意された臨時の席(寝台席をシェア)に座り、車掌が空いているベットを見つけてくるまでそこに座って待つ。無理やり例えると、オーバーブッキングで飛行機に乗り込みとりあえずスチュワーデスの席に座っているような状態だ。それでも直前のキャンセルなどあり、たいていはベットにありつける。


WL番号

一般枠やTATKAL枠などは、空席が全部埋まると、(RAC1, RAC2, RAC3..)... WL1, WL2,WL3というようにウェイトリストに番号がふられていく。番号は2種類あり、エントリーした時に割り当てられる番号と、キャンセルが出るたびに番号が繰り上がっていく[現在位置]を示す番号がある。前者はシリアル番号のようなものなので、最後まで変わらない。 CNF > RAC > WLという関係なので、寝台席の場合、WLの人はCNF(Confirmed)になる前にまずRACになる。


画像: 空席照会の画面。
  • WL13/WL6: 15日の2Aクラスの場合、最後のエントリーポイントがWL13, その人の現在のポジションがWL6。(RACの数 + 6人)キャンセル待ちしていることになる。WL13からW6になっているので、これまで7人キャンセルしている。もし新たに1人予約すると、WL14/WL7になる。
  • Available - 0010: 17日の3Aクラスの場合、10席空席があるので、窓口かオンラインで購入できる。

席にありつける確率は?

インド鉄道では、発車2-4時間前に座席チャート作成という作業が行われる。これは、特別枠の未使用分とRAC/WLのリストを付け合せて、空いている席に誰を割り当てるか最終決定するものだ。RAC/WLの人がチャート作成後にやっと席を確保するケースはかなりある。最新の状況を知るには、チケットに書かれたPNR番号を使い、電話かウェブからチェックすることができる。ウェブの画面で、「Reservation Chart Prepared」と表示されていれば、既に座席調整は完了している。そこに出ている座席のステイタスが最終結果。WLのままなら列車に乗れない。席が取れているかRACなら乗れる。WLのどの番号なら大丈夫かというのは一概には言えない。経験則としては、

  • チャート作成前の時点でRACならば、まず席にありつける。WLの場合ケースバイケース。下手すると、チャート作成後にRACに繰り上がるかもしれない。RACは自動キャンセルされないので、乗るかどうか決断が迫られる。
  • ShatabdiのCCクラスなど、車両が多い場合、WL一桁なら余裕。他の急行だとCCが1車両ということもあるので、WL10はかなり微妙。(座席なのでRACは関係ない)
  • SLクラスなど10両以上あるものもあるので、WLの若い番号ならまあ大丈夫。そのような列車にはRACも割当が多いので注意。WL20でも、RACが60席あれば80席繰り上がってやっと席が確定する。
  • 長距離列車の場合、始発駅と途中の主要駅では枠が異なる。つまりWLが異なる。それほど大きくない途中駅の場合、WL2でも不安。

で実際はどうなんだ。ということで、コルカタ・ハウラー駅に泊まった時、ホームに張ってある座席チャートをいく つかチェックしてみた。 一般枠の場合、CCので1車両につき10人弱、寝台車の場合,1車両につき5-10人くらいの人がRACやWLの位置から席をゲットしている。正確に言うと、予約した時点でRAC/WLの番号をもらった人のうち、何人が席にありつけたかというのがわかる。若い番号の人は、座席チャート作成以前にすでにCNFに繰り上がっていたにちがいない。


RAC/WLから何人席をゲットできたか

列車 座席チャート
2839 Chennai Mail
Howrah -> Chennai

AC1 0.5両: 一般枠のWL: 2人まで席ゲット (AC1にRAC/Tatkalなし)
AC2 2.5両: 一般枠のWL: 26人席ゲット(RACの人7人全員,WLの人19人まで)
             TatkalのWL: 7人全員席ゲット
AC3 3両: 一般枠のWL: 16人席ゲット。(RACの人5人全員, WLの人11人まで)
       TatkalのWL: 5人まで席ゲット
SL 12両: 一般枠のWL 78人席ゲット(RACの人42人全員、WLの人36人まで)
       TatkalのWL: 34人まで席ゲット
2021   Jan Shatabdi Howrah -> Barabil
CC 3両: 一般枠のWL: 29人まで席ゲット。 TatkalのWL: 15人全員席ゲット。>
2019 Shatabdi Howrah -> Ranchi
CC 6両: 一般枠のWL: 14人全員席ゲット
2821  Dhauli Express Howrah -> Bhubaneswar
CC 1両: 一般枠のWL: 9人まで席ゲット。 TatkalのWL: 5人全員席ゲット
* RACの人数は「RACでエントリーしてキャンセルしなかった人の人数。実際のRAC席の数はもう少し多い。    
* TatkalのWLは同じWLでも席をゲットできる確立が高い。

*チャートに載っている情報は、いわばスナップショットなので、チャート作成前の状況やチャート作成時に何席リリースされたかなどはわからない。

補足

用語

  • WL = Wait List
  • RAC = Reservation Against Cancellation
  • CNF = Confirmed (座席確定)

IndiaMikeの RAC/WLガイド

RAC用の席数

  • 2A: 4席/車両,3A: 6席/車両, FC: 4席/車両, SL: ~12席/車両

予約状況の確認

  • PNR = Passenger Name Record
  • チケットに書かれたPNR番号を使い、予約状況を調べる。
  • 139に電話。英語の自動音声案内に従う。
  • ERAIL, インド鉄道のサイトでPNRステイタスが確認できる。

キャンセル料

  • 出発の2日前までにキャンセルした場合、キャンセル料は安い。
    60Rs for A2/A3/CC
    20Rs for 2nd class
  • WL/RACの状態でキャンセルした場合、キャンセル料は取られないが、clerkage charge(20ルピー)というキャンセル料のようなものを取られる。また、予約時に払ったネット予約のサービスチャージ(10-40ルピー)も返ってこない。
  • オンラインで、WLの時に予約をいれ、座席チャート作成後もWLの場合、その予約は自動的にキャンセルされ、お金はカードに返金される。ここでも全額戻るわけではなく、サービスチャージとclerkage chargeが払い損となる。
  • 窓口で買った場合、返金手続きをする必要があるので面倒。

チャート作成

  • 列車の出発が午前中なら前日の夜、チャートが作成される。
  • 基本的には、長距離乗る人が優遇されるが、短距離でもちょうど空席にマッチする場合、WLのランクが下のほうであっ ても席が割り当てられる。また、グループで予約を入れている場合、まとまった席がないと、よりWL番号の低い乗客に席が割り振られることがある。


プランニングとツール

インターネット上に必要なツールと情報が揃っている。日本に居ながらにして旅行の計画を立てることができる。

  • 時刻表、路線図 

    イ ンド鉄道の時刻表といえば、Trains at Glance (TAG)。 主要な長距離列車がカバーされている。鉄道網のルート図があるので、AからBに行くにはどういうルートが可能で、途中どの町に立ち寄れるか、などが判断できる。単にAからBへの移動手段として使うだけならば、TAGは特に必要ない。直通の列車とスケジュールをネットか旅行会社で調べればいい。TAGは全く同じものがインターネットで閲覧できるが、ページごとに別々のPDFファイルとなっており扱いにくい。 ローカルな列車の時刻表は、州によってあったりなかったり。
    写真: 左下: TAG(インド鉄道版)、右下: TAG(Ram版)、右上: オリッサ州時刻表(英語)、コルカタ時刻表(ベンガル語)
  • 列車の検索と空席照会
      インド鉄道のサイトで、出発駅と到着駅、出発日、客車の等級などを入力して列車の一覧と運賃を出す。その後、各等級の空席状況を確認することができる。インド鉄道とは別に、ERAILという民間のサービスがあり、こちらのほうがはるかに洗練されいて使い勝手がいい。両方とも、ログインの必要なし。予約はできない。
  • 予約
     IRCTCというサイトでチケットをオンライン購入できる。WLやRACの状態でもブッキング可能。買えるのは一般枠とTATKALのチケットのみ。 ログイン口座とクレジットカードが必要。
  • 予約後
     RACやWLで予約を入れた人は、チケットに書かれたPNR番号を使い、最新の予約状況を確認できる。インターネットで購入したチケットはIRCTCのサイトからキャンセルできる。
  • 発車後
     当日、すでに発車している列車の遅延情報、運行履歴を検索することができる。
    • ERAIL (列車を選んで[Running Status]ボタンを押す)
    • インド鉄道 (Train Running Informationをクリックして、列車番号を入力)

Trains at Glance

2つのTAG

 TAGは、駅や街中の本屋で購入可能。インド鉄道発行の35ルピー版と一回り小さいRam Publications発行の50ルピー版がある。時刻表自体の内容は同じだが、以下の理由からインド鉄道版を購入したほうがいい。

  • インド鉄道版のほうが、よりカラフルで, 巻末の鉄道関係の情報が充実している。
  • Ram版のほうは、駅名インデックスに漏れがある。

オンライン版

  • オンライン版には、インド鉄道版のものがほぼそのままPDFで載っている。(Garib RathへのリンクとHow to use timetableの2ページ目が欠けているくらい)。***2009年度版の場合。
  • 100を超えるPDFファイルをダウンロードするには、curl.exeが便利。例えば、
    curl.exe -O "http://www.indianrailways.gov.in/
    pdf/[1-97]{,A}.pdf" でほぼすべての時刻表テーブルがダウンロードできる。 **2009年版の場合。現在仕様が変わりうまくいかない。

IRCTC

IRCTCとは 

座席予約サイトを運営するIRCTC (Indian Railway Catering and Tourism Corporation) は駅の売店・食堂から、列車内のサービス(シーツ交換、車内販売),パッケージツアー販売まで乗客サービスを幅広く行っているインド鉄道の関連会社。

  • IRCTC 予約可能時間:
    インド時間 5AM-11:30PM
  • 小規模な旅行会社の多くは、IRCTCとエージェント契約をしていて、彼らの業者用IDでログインして、一般ユー ザーと同じような画面でチケットを購入する。代行手数料はとそんなに高くはない。

座席指定はどこまで可能か?

 チケット購入画面で[窓際]や[寝台の上下]の希望が指定できる。空席が十分あれば希望通りの席が割り当てられる。 IRCTCのサイトでは、支払いが終わった後に初めて座席番号が表示される。もし希望のタイプの席がない場合、どういう処理がされるのか気になる。窓口で購入する場合この心配はない。

IRCTCは情報収集に使えるか?

 IRCTCのサイトでも列車検索や空席照会など一通りのことができるので、他のツールを使わなくてもいいので は? と思えてくる。しかし、以下の理由でオススメできない。

  • 検索結果に所要時間がでてこない。
  • 発着駅を正確に知っている必要がある。
  • 列車が運行している曜日を知っている必要がある。
  • 外国人枠の空席が見れない。 
  • セッションがすぐタイムアウトするので、ログインしなおす必要がある。

他にも細かい使い勝手の悪さがいくつかあるので、情報収集にはERAILがいい。

ERAIL

ERAILのGMap機能で遊ぶ

  • インド鉄道で最長区間を走る列車HIMSAGAR Express (6317/6318)。カシミアのJammu Tawi(JAT)から最南端の町カニャクマリ(CAPE)まで3720km, 71時間かけて走っている。[Show Map]をクリックして、地図を表示する。日本が見えるまでスケールを調整すると、この路線が北海道から鹿児島よりも長いことがわかる。
  • HIMSAGAR Express

ERAILのタイムアウト問題

  • 空席状況取得時に頻繁にタイムアウトする。時々、キャッシュされた過去の検索結果を返すこともあるが、それがど れくらい前のものなのか注意する必要がある。 (2009年8月現在この問題は解消された模様)

ERAILのローカル列車検索

  • ローカル列車の情報はERAILのスタッフが手入力しているようで、最新の情報はERAILの掲示板で確認できる。

目的別ツール選び

それそれのツールに一長一短があるので、目的別に最適なツールをまとめてみた。 

目的 ツール
チケットをオンラインで購入したい。 IRCTC。 他ではできない。ログインが必要。
一般枠の空席状況を知りたい。 IRCTC/インド鉄道/ERAIL すべて可能。ERAILが使いやすいが、頻繁にタイムアウトを起こす。そういう時はIRCTCを使う。
外国人枠の空席状況を知りたい。 ERAIL(AV マークをクリック)またはインド鉄道(Seat Availabilityリンク)。 IRCTCでは見れない。空席照会画面でQuotaのドロップダウンから枠の名前を選ぶ。 外国人用窓口に行かずに、現在のFT枠の空席状況をチェックできるのは重宝する。
チケットの予約状況を確認したい。 ERAIL, インド鉄道。共にPNR番号から予約状況(Confirmed/RAC/WL)を確認できる。電話(139)の自動音声案内でも可能。
2つの駅の間を走る列車を検索したい。 IRCTC/インド鉄道/ERAIL すべて可能。ERAILの場合、駅名の入力が洗練されていて使いやすい。
正確な駅名や駅コードがわからない。 ERAIL。  コルカタ、デリー、アグラーなど複数駅のある町は多い。ERAILの場合、町の名前または駅の名前を入力して検索すると、同じ町の別の駅に発着する列車も検索してくれる。他のツールはそのあたり不完全。
目的ルートを走る列車の数が多すぎるので整理したい。 ERAIL。 列車の発車・到着時刻、所要時間、連結された客車のクラス、列車番号、など必要な情報が一覧で見られる。さらにそれぞれの項目で並べ替えできるので、発車時刻順や所要時間順など必要に応じて整理できる。また、列車のタイプによって色分けされている。ERAILでまず発着駅や駅コードを調べてから他のツールを使うといい。
列車にどの等級の客車が連結されているのか知りたい。 ERAIL。 一目でわかる。
どの列車に二等車が連結されているのか知りたい。 TAG。  他のオンラインのツールでは明示されない。ただ、Rajdhani,Shatabdiと観光用デラックス列車以外の列車にはたいてい二等車が付いている。二等車が何両ついているか確実に知る方法はない。
停車駅の一覧が見たい。 ERAIL/イ ンド鉄道/IRCTCすべて可能。 ERAILが一番見やすい。停車駅、到着時間、走行距離に加え、停車時間も表示される。列車を選択して[Running Status]ボタンを押す。 TAGは主要な停車駅しか載せていない。
列車のルートが見たい。 ERAIL。Gmap上にルートを表示できる。列車を選んで[Show Map]ボタンを押す。
ローカル列車を探す。 ERAIL。 二等車のみのローカル列車の場合、TAG,インド鉄道サイト,IRCTCに出てこない。ERAILの場合、全部ではないが検索結果に出てくる。(例:カングラ鉄道、大都市近郊の通勤列車)。また、場所によってはローカル列車を含めた地方限定の時刻表が売られている。
席番号付きの座席のレイアウトが見たい。 ERAIL。 座席表
運賃の詳細が知りたい。 IRCTCインド鉄道。運賃表示が、基本料金、SuperFast料、座席指定料(reservation charge)など分けて表示される。 2Sの座席の運賃から座席指定料を差し引くと、二等座席の運賃がわかる。
運賃表が見たい。 ERAILTAG。ERAILのほうは、普通列車の運賃ものっている。
TAG 運賃表 ERAIL 運賃表
乗り換えの検索がしたい。 残念ながら、今現在、列車の乗り換えを検索できるサイトはない。以前、www.indiagroove.comというサイトがあったが、今は閉鎖中。
列車の遅延情報が知りたい ERAIL: 列車を選んで[Running Status]ボタンを押す。
インド鉄道: Train Running Informationをクリックして、列車番号を入力
ある駅に発着する主要列車の空席状況をまとめて知りたい。 インド鉄道 Weekly Availability at Stationsをクリック。
7日間の主要列車の空席状況が一覧で見える。

座席チャート


駅に張り出される座席チャート(Reservation Chart)は2種類ある。

  1. RAC/WLで予約したの人の現在の状況を示した物。発車ホームの掲示板に張られる。
  2. 各客車の乗客名簿。ホームの掲示板と客車の入り口に張られる。
写真: New Delhi駅の座席チャート

1,2共に、名前、予約枠、性別、年齢、PNR番号、座席などが書かれている。客車に貼られた物は、そのまま終着駅まで 行くこともあれば、途中で吹き飛んで剥がれることもある。この紙には、それぞれの客車の空席数も書かれているので、空席状況を確認してから車掌(TTE)に座席のアップグレードを依頼することもできる。 座席チャートの内容はプライバシーのかけらもないが、年齢や性別を見て車掌が本人かどうか判断しているのだろう。これらの個人情報は予約時に自己申請したものであるので、パスポートと一致してなくても問題ない。車掌も検札時に本人確認するわけではない。

 チケットや座席チャートには、客車番号と座席の番号が書かれている。客車にはそれぞれ、A1,A2,A3のようなIDが振られていて、最初のアルファベットは客車クラスに対応している。 右の表参考。

座席チャート

座席チャートを読む

  • 連番の横にFTと書かれていれば、それは外国人旅行者枠で買った人。
  • インターネットでチケットを購入した人には名前の前後にマークがあるか、NRF(No Refund across counter)と注意書きがされている。平均して3分の1くらいの人がネットで予約しているようだ。
  • 小さな駅では、座席チャートは駅の入口ホールの掲示板に張られる。

TTE

  • Traveling Ticktet Examiner。車掌。たいていダーク系の背広を着ている。始発駅なら分厚いプリントアウトを抱えてホームをうろちょろしている。列車により、1-4人程度乗車。彼らが発車後の座席の割り当てを担当。

客車のID

  • H =1A, A = 2A, B = 3A
  • S = SL, FC(F) = FC, D = 2S
  • E =EC, C = CC
  • HA = 1A/2A合体, AB = 2A/3A合体

特急列車

運賃表

Rajdhani

  • "首都"エクスプレス。デリーと他の大都市を結ぶ寝台特急。すべてAC寝台。
  • Rajdhani 列車一覧

Shatabdi

jan Shatabdi

Garib Rath



運賃の損得勘定

 インド鉄道の運賃計算方法は複雑だ。基本的には、列車と客車の種類ごとに距離に応じた運賃表があり、 それに小額の特急代や座席指定代などを加えたもの。列車の種類別の運賃を比較すると、だいたいRajdhani寝台 > Mail/Express寝台 > Shatabdi座席 >Mail/Express座席 >  Garib Rath座席(寝台) > 普通列車となる。

  • Rajdhani (寝台特急)
    RajdhaniとShatabdiの特徴は所要時間の短さと食事が料金に含まれていること。食事はたいしたことないので、所要時間がキーになってくる。デリーからコルカタに移動する場合、Rajdhaniを使えば、17-18時間かかるが、Mail/Expressだと22-24時間かかる。夕方出発した列車が午前中に到着するのと、夕方到着するのでは大きな差がある。3割ほど割高な運賃の価値がここにある。短距離でRajdhaniに乗るのは割高で、最初の200キロくらいまでは、Mail/Expressの2ACよりもRajdhaniの3ACのほうが高い。
  • Shatabdi (日中の特急)
     路線によっては、Shatabdiと他の急行の所要時間がそんなに変わらないケースがある。例えば、デリー - アムリトサル(約450km)の場合、週3便以上ある列車のCCクラスで比較すると以下の表のようになる。 廉価版特急といわれるGarib RathがShatabdiの半額、Mail/Expressはその中間ぐらい。2つあるShatadbiの運賃の違いは朝食と夕食のコストの差であろう。 こう見ると、Garib Rathが断然お得ということになるが、この列車は週3便しかない上、運行しているルートも限られている。同じCCでも、Shatabdiの車両は一般的に窓が大きい。

デリー - アムリトサル: 急行運賃比較

列車 スケジュール 所要時間 料金(列車タイプ)
2203 Garib Rath Exp 14:05 - 20:40 6:35 301(Rail Car??)
2459 NDLSASR Exp 13:35 - 21:25 7:50 438(SuperFast)
2497 Shane Punjab 6:45 - 14:15 7:30 438(SuperFast)
2029 Swarna Shatabdi 7:20 - 13:25 6:05 600(Shatabdi)
2013 Amritsar Shatabdi 16:30 - 22:35 6:05 645(Shatabdi)

  • 2nd class (予約不要のベンチシート)
     2等車は、インド鉄道でもっとも安いクラスの座席である。 ジャムー - カニャクマリ間3720kmを通して乗った場合、Mail/Expressの運賃表によると、357ルピーかかる。 これはRajdhaniの1ACの初 乗り料金(0-100km): 528ルピーよりも安い。同じ二等車でも、普通列車の2等車はMail/Expressの2等車よりもさらに安い。 例えば、カルカーシムラのトイトレインの場合、Mail/Express列車だと、33ルピー、普通列車だと16ルピーになる。料金は半額だが、所要時間はほとんど変わらない。
  • e-ticket
      インターネットで予約した場合、通常窓口で支払う金額に加えて10-40ルピーのサービスチャージがかかる。予約 にはネットカフェの利用が不可欠で紙チケットのプリント代もかかる。さらにクレジットカードの処理に1.8%余分に取られるので、仮に1000ルピーのチケットを買ったとすると、 (1000 + サービスチャージ) * 1.018 + ネットカフェ費用 となる。平均すると合わせて60-80ルピーくらいか。たかが150円程度だが、運賃の6-8%と考えるとちょっと嫌な気分になる。

戦略

インド鉄道は慢性的に混んでいるので、出発の1,2日前にチケットを取るのは難しい。ここでは、基本的な戦略を2つ紹介し たい。

  1. まずは予約枠とWLをフルに活用したい。
    • インターネットで一般枠を調べる。空席があれば買う。
    • 次に外国人枠を調べる。あれば、最寄の外国人用窓口で買う。そのような窓口がない場合はあきらめる。
    • 次にTATKAL枠を検討する。空席があり割増料金が妥当ならば買う。ただし、一般枠で空席がない時はたいていTATKALでもWLの状態になっている。
    • 最後の手段として、WLにエントリーする。現在のWLの番号、予約するクラスの客車の数、始発駅かどうか、など考慮して”いけそう”と判断したらエントリーする。発車の2時間前には予約チャートも作成され、ウェブでチェックできるはず。もしチケットが取れていたら駅に向かい、WLのままなら自動的にカードに返金される。 
    • さらに最後の手段として、二等座席のチケットを買って乗る。万が一座れなかった場合、大変苦労することになる。途中、TTEに頼んで座席を指定席や寝台席にアップグレードしてもらえる可能性はそこそこある。
  1. 別のアプローチとしては、列車のクラスで妥協する。
    • 昼間に走る急行列車は、Shatabdiのようにエアコン車両が7,8両つくのもあるが、大半はCCが1,2両連結されるくらいである。結果、CCクラスはすぐに埋まってしまう。残りの車両のほとんどは二等車で、そのうち結構な数の2S(座席指定の二等座席)が割り当てられている。 2Sの席でも窓際ならば、そんなに居心地は悪くない。空席があれば、窓際指定でネットで購入する。
    • もし、CCのクラスに空きができればTTEに言ってアップグレードしてもらうこともできる。

TAGを読む

途中下車

  • TAGによると、500kmを超えてから1回、1000kmを超えたらで2回途中下車でできる。1回の下車で中2日間滞在できる。これを文字通り解釈すると、デリーからコルカタ行きのPoorva Express(2382)に乗り、769km地点のバラナシでに途中下車し、後日コルカタに向かうということができる。チケットを分けて買った場合と比べてどのクラスでも25%ほど節約できる。しかし、どうやって寝台席を2回に分けて予約するのかちょっとイメージがわかない。残念ながらRajdhaniとShatabdiは途中下車できない。

荷物の重量

  • ほとんどネタ化しているインド人旅行者の荷物の多さ。実際の所、一人何キロまで持ち込めるのかTAGで調べてみた。 二等座席で35kg,AC1で70k、とぜんぜん余裕なのだった。

インドレイルパスは得か

インドレイルパスは、主に外国人旅行者を対象にした期間指定の乗り放題チケット。等級と有効期間の長さごとに料金が決まっており、主要駅と一部旅行会社、海外の代理店で購入できる。旅行者の間では、「毎日列車に乗り続けてやっとモトが取れる」 とか「そもそも列車の予約を取るのが大変なので意味無し」と言われているが“使える”シナリオはないのだろうか。検証してみたい。データはすべて1ドル = 50ルピーで換算。

料金プラン

レイルパスは3種類。各パスに正式な名称がないので、AC1パス、AC2パス、SLパスと呼ぶことにする。
括弧内は一日当りの料金。単位はドル。

パス AC1パス AC2パス SLパス
利用可能なクラス AC1, ECなどすべてのクラス AC1, EC以外のクラス SL, II
半日* 57(57) 26(26) 11(11)
1 days* 95(95) 43(43) 19(19)
2 days* 160(80) 70(35) 30(15)
4 days 220(55) 110(28) 50(13)
7 days 270(39) 135(20) 80(12)
15 days 370(25) 185(13) 90(6)
21 days 396(19) 198(10) 100(5)
30 days 495(17) 248(9) 125(4)
60 days 800(14) 400(7) 185(3)
90 days 1060(12) 530(6) 235(2.5)
参考運賃1* AC1 36 AC2 21.5 SL 5.7
参考運賃2* EC 25 CC 13 2S (2)
* 半日・1日・2日間パスは24時間制。これらのパスは、Rajdhani Expressに乗る場合、座席の等級が1つ下がる制限がある  
  例: AC1 -> AC2, AC2 - > AC3。
* 参考運賃
  1. ムンバイ->ゴアの寝台列車(0111, 12時間)の料金。
  2. チェンナイ->マイソールのShatabdi(2007, 7時間)の料金。

特徴

  • 青春18きっぷなどと違い、最初の日以外は使用する日を選べないので、パスの有効期間中、列車に乗らない日は損をした気になる。
  • 急な予定変更で旅行を続けない場合、パスが無駄になる。転売できない。
  • ほとんどのシナリオで割高。一枚つづチケットを買ったほうが安くて柔軟。
  • 結局、予約を取る必要があるので、パスを持っていない場合と何ら苦労は変わらない。
  • ネットや現地の旅行会社で予約ができないので、窓口の行列に並ぶ必要がある。Tatkal枠も使用できないらしい。
   

ここまですべてデメリット。数少ないメリットとしては、

  • 座席の予約、キャンセルに費用が発生しない。 => せいぜい20-60ルピー程度の節約。
  • ドル払いのため、ドル/ルピーのレートによっては割安感が出てくる。 => 相場しだい。
  • 海外の代理店でインドレール・パスを購入する時、同時に列車の予約もできる(FT枠で)。その場合、インド国内の予約受付開始日(90日前。短距離列車は30日前)より前に座席を予約できるらしい。ただし、実際の座席番号は乗車日近くにならないとわからない。 => 何ヶ月も前に予定を組める人には有益だが、そもそもそんなに先の予約なら一般枠を使ってネットで予約することもできる。
  • パスを持っていると駅員の対応がよくなる。車掌や駅長と掛け合って席を用意してもらえるた報告例がある。 => なんの保証もない。

“使える”プランを探せ。

見るからに”使えない”インドレイルパス、お得感のある行程は組めないものか。旅行期間ごとに検証してみたい。

  • 半日、1日プラン
    半日・1日・2日間パスは24時間制。つまり最初の列車の発車時刻から時計がスタートする。これを何とか利用したい。シゲタトラベルのウェブページに2つ使用例が紹介されている。

    • マンドール急行(2462)  ジョードプル-デリー(7:30PM -- 06:30AM。11時間)
       半日パスを使うとAC1パス(1602->2850相当), AC2パス(960->1300) SLパス(260->550)
    • 列車#1013 ムンバイ - バンガロール (10:30PM - 9:55PM 約23時間半)
      一日パスを使うとAC1パス(1Aクラスなし)  AC2パス(1348->2150相当) SLパス(359->950)

      調べてみるとすべてのケースで損をする計算。ちょうど12時間や24時間のタイムリミットに合いそうなものを選ぶだけでは大損をすることが確認された。もっと基本料金の高い列車に乗らないともとがとれない。Rajdhaniは1日パスではクラスを1つ下げなければならない制限があるので、Shatabdiで勝負してみたい。AC2パスの一日チケットが43ドル(2150ルピー)。デリー - アムリトサルのShatabdi CCクラスが6時間で645ルピー。単純計算で3.3回、20時間Shatabdiに乗り続けてやっともとが取れることになる。なお、これらの24時間制チケットは、予約後日付や時間の変更はできない。また、4日以内のパスは海外の代理店でしか販売されない。何のために存在するのかよくわからない短期チケット。"Forget it"と腹の底から叫びたい。

  • 3週間プラン
       もう少し実用的なプランを考えて見たい。3週間の旅行日程でAC2パス(主にAC2,CC)の21日間のパス(198ドル- >9900ルピー)を購入したとする。AC2パスなら毎日の列車での移動も快適だ。21日中、10日を長距離寝台(1200ルピーとする)、5日を昼間の特急(600ルピーとする)に乗ったとする。個別にチケットを買った場合のコストは15000ルピー(約300ド ル)。これなら何とか元が取れそうだ。しかし、単に元が取れたという話で安くあげるならバスを活用したほうがいい。たかが100ドルの差でスケジュールに柔軟性がなくなるのもちょっともったいない。

  • 60日プラン
       ここまで長期になると、一日あたりのコストも大きく下がってくる。 AC1パスで14ドル(700ルピー)。 AC2パスで7ドル(350ルピー)。デリー -> コルカタ のRajdhaniがAC1(3365ルピー), AC2(2010ルピ-)というのを考えると、かなりお得感がある。5-6日に1回Rajdhaniに乗ればもとが取れると考えるとスケジュールにも余裕が出てくる。ただ、Rajdhaniが走っている路線はかなり限定されるので、やはりもとを取るのは難しいだろう。
      ふと考えると、自分の場合平均的なインド滞在コストはホテル代250ルピー、食事150ルピーで、合わせて8ドルくらい。ここでいいアイデアが浮かんだ。寝台列車をホテル代わりにするというのはどうだろうか。Rajdhaniなら食事もつく。 旅行する予定のない日は、デリー - コルカタ間かデリー - ムンバイを毎晩行き来してホテル代と夕食代を浮かすのだ。サダルやメインバザールのnon-A/Cの部屋よりはずっと快適な夜を過ごせるだろう。

補足

FT枠の制限(未確認)

  • デリーの外国人専用オフィスの人の話では、レイルパスを持っていても、FT枠の席は外国人用の窓口でしか予約できないらしい。その辺にある駅の予約窓口の職員のIDではFT枠で予約をとる権限がないらしい。
  • 外国人用窓口なら、全国の路線のチケットがFT枠で買えると思っていた。デリーでは、デリーを通過しない列車のチケットが買えた。一方、ガヤの外国人用窓口では、ガヤと関係ない路線のFT枠チケットの購入を断られた。職員の無知なのか、そういうルールや駅ごとに制限があるのか不明。

もし上記2つの制限が本当だとすると、インドレイルパスはさらに使い勝手の悪いものになるだろう。

注意

  • 私はレイルパスを買ったことがないので、使用ルールの理解が一部間違っているかもしれない。

最後に

まだまだ完成には程遠い「インド鉄道の達人になる」。私はどちらかというとバス派なので、列車に乗る機会はそれほどない。とはいうものの、奥が深くとっても攻略しがいのあるインド鉄道。これからも末永くウォッチしていきたい。

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