カトマンズ 違いのわかる男ネパールでは、無意識にダラダラ過ごしてしまうことが多い。実際私もカトマンズ・タメルでこれといった目的もなくブラブラしていた。それではいかん、ということで、身の回りの気になることを調査してみた。魂は細部に宿る。細かい違いがわかる男でありたい。 |
旅行時期: 2009年11月後半-1月前半
為替: 1ルピー = 1.21円 作成日: 2009.03.01 目次
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タメル為替レートの法則アジア最大級の旅行者ゲットー カトマンズ・タメル。通りを歩けば3,4軒おきくらいに両替屋がある。その数の多さと安っぽい外観から、レートも悪くないような気がしてくる。タメルの両替商の最大の特徴は、レートがどこも同じということ。他の国、たとえばバンコクのカオサンには銀行の出張両替所が並んでいるが、レートはバラバラ。香港チョンキンマンション1Fの両替屋もレートは独自に決めている。ネパールはどうも社会主義的な傾向が強く、「価格を協定」するのがお好きなようだ。 法則を推測では、その共通のレートはどのように決められているのだろうか。私は基本的にATMユーザーなので、実際に両替することがなく、気軽にその仕組みを尋ねるチャンスがない。ならば、と勝手に推測してみることにした。仮説としては、新聞の朝刊などで載っているレートにマージンをのせたもの。例えば、ネパールの中央銀行であるラストラ銀行は、その日の参考レートをウェブに載せている。そのレートに対し、通貨に応じて1-3%程度の利益を載せるというというのはどうだろうか。仮説を検証するため、ラストラ銀行のTTB/TTSの仲値と両替屋のレートを2,3日比較してみた。結果は、だいたい2%台のマージンに収まるものの、数字に一貫性がない。全く別の計算方法が使われているようだ。 How it worksその後、3週間ほどトレッキングに出かけていて、この未解決の課題はすっかり忘れていた。カトマンズに戻ったある日、ATMで順番待ちしていると、隣の両替所の壁に価格表のようなものがあるに気づいた。よく見ると、カトマンズ銀行のその日のレートが印刷されている。レートのすぐ横には別のレートが書き込まれている。その一枚の紙切れを見てすべてを理解することができた。試験の答えをこっそり教えてもらったようなものか。 仕組みはこうだ。カトマンズ銀行のBUYレートから一定の数字を引いて、両替商のBUYレートとする。カトマンズ銀行のレートがUSD - 75.00なら、両替商のレートは74.00。差し引く数字は、米ドルの場合1.0, ポンドが1.5, ユーロが1.5, 日本円が0.1。これらの主要通貨は、銀行レートより1.0%-1.5%程度レートが悪くなるように、キリのいい数字が選ばれている。 1/5朝のレートを見てみると、米ドル1.35%, ポンド1.26%, ユーロ1.41%, 日本円1.25%、銀行レートに上乗せされている計算。本来ならば、より流動性の高い米ドルやユーロのレートを優遇すべきだが、日本円やポンドのほうが条件がいい。もちろんこれは、両替屋が計算しやすい数字を使っているため、ラッキーな逆転現象が起きている。仮にレートが変わらなければ、その日や前日に旅行者から買った外貨をそのままカトマンズ銀行に持ち込めば、その追加のパーセント分だけ利益になる。20万円商っても利益は2500円。あまりいい商売とはいえない。もちろん、カトマンズ銀行のレートはドル・インドルピーの相場に応じて、日中2,3度更新される。しかし、両替屋は朝セットしたレートを変えない。ボードの数字を直すのが面倒なのだろう。それでも、長期で見れば、マージン分だけ利益が入ってくる仕組みになっている。 写真: カトマンズ銀行のレート表に、"計算後"の数字を書き足したもの。これで謎が解けた。KTM銀行翌日、カトマンズ銀行のタメル支店に行ってみることにした。9:45AMに窓口がスタートする。それまでは、どの両替屋も昨日のレートを表示している。支店に向かう途中、レートの紙切れを数枚持って去っていく男性とすれ違う。近所の両替屋に配るのだろう。支店に着くと、入り口にレート表の束が置いてあり、自由に持っていってかまわない。この時間帯(10:30-11:00)に通りを歩くと、レート書き換えの風景をよく見かける。レート表片手に暗算しながら書き込む人と、先に計算しておいた数字を書き込んでいく人の2種類いる。当然、前者の進捗は遅い。 両替屋の利益構造はわかった。では、その基準となるカトマンズ銀行のレートはいいのだろうか。ウェブや店頭の紙切れにはBUY (Cash, T/C), SELL、と3種類のレートが書かれている。ラストラ銀行のレートやYahooのほぼリアルタイム・レートと比較した結果、それぞれ、現金BUYレート、TTB, TTSと解釈するのが自然だ。各通貨、TTB/TTS(オンライン処理やT/Cのレート)の差は片道0.5%前後。米ドルのみ0.4%。現金BUYレートは、さらに1%ほどレートが悪くなる。まとめると、外貨の現金を両替する場合、銀行の利益は約1.5%、両替商の利益は1-1.5%。合計、2.5-3%程度。この日の日本円レートの場合、2.75%ほどユーザーは隠れた為替手数料を払っていることになる。 よって、銀行で両替すれば、両替商の手数料分だけレートがよくなる。KTM銀行以外にも、ヒマラヤ銀行、Global Bank, ネパール・インベストメント銀行など、タメル近辺で両替窓口がある銀行はいくつかある。何度かホームページでレートを比べてみたが、銀行同士、レートにそれほど大きな差は見られなかった。 写真: レート表を見ながら、数字を入れ替える男性。ボードに書くタイプのほうが楽だと思うのだが..。ATMでは、ATMからネパールルピーを引き出した場合、レートはどれくらいだろうか。Visa/Masterの場合、キャッシングで、各社が設定するインターバンク・レート + 利子。ショッピングで、インターバンク・レート + (1.6%または1.63%)というカードが多い。ビザのウェブページに、過去のレートを検索するサービスがあるのだが、残念ながらネパールルピーは出てこない。その代わり、ネパールルピーと実質固定レートであるインドルピーのレートを参考にしたい。ビザが使用するインドルピーのインターバンク・レートは、だいたい0.3%-0.7%くらいで推移している。18%の利息で25日 - 55日間借りたとして、1.23% - 2.78%。両方あわせて1.53%-3.48%。ショッピング、またはキャッシングにもショッピングレートが適用されるカードであれば、1.9% - 2.33%になる。 ベスト・プラクティスすばてのレートを比較すると、銀行レート(1.5%) > クレカショッピングレート(1.9% - 2.33%、平均2.11%) >= ATMレート(1.53%-3.48%、平均2.5%) >= 両替商レート(2.5-3%)となる 。 という訳で、「できるかぎり銀行。銀行が閉まっている時は、クレカの締め日を意識しながら、ATMか両替商を選ぶ」というのが基本戦略になる。これが結論なのだが、私はせこい人間なので、さらに一歩踏み込んで「両替屋のレート更新は一日一回」という点を攻めてみたい。 両替屋はレート表の書き換え作業を終えるまでは、昨日のレートで商売している。そして、日中相場が動いても、朝手間をかけてセットしたレート表をそのまま使い続ける。前日に相場が大きく動いた場合、両替屋の古いレートが、KTM銀行の朝ーのレートよりいい可能性はわずかにある。一日で、1-2%ルピー高に動けばいいのだ。また、レート表がセットされた後も、相場を追って日中更新される銀行のレートが両替屋のレートより悪くなるケースもありえる。ただ、銀行もレートを頻繁に更新するわけではないので、こういう状況はあまり多くない。 ということで、「朝(11AMまで)、銀行のレートと昨日の両替商のレートを比較して、もし両替屋のレートが上ならそっちで換える」という戦術が加わる。ほぼ完全攻略したと思うが、いかがだろうか。しかしながら、レートが1%悪かったところで、1万円両替してもたった100円の損。相場は毎日変わり、将来の相場は誰も予想できない。結局は「ケチケチしない」といのがベスト・プラクティスなのかもしれない。
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補足カトマンズ銀行
街の両替屋
ATM
銀行一覧
その他
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タメル価格の研究割安なものと割高なものが混在するカトマンズ・タメル。この辺りじっくり攻めてみたい。 スーパータメルでは、割高なテナント料をカバーするために、店の商品も割高になっている。カトマンズ・ゲストハウス近くのT字路(カールスバーグのでかい看板)にスーパーが3軒固まっている場所がある。スーパーっぽい外観と価格シールに、どことなく定価販売している安心感が漂う。しかし、実際には3店とも定価に5-20ルピー程度上乗せして商品を販売している。お客が定価を知らないか、チェックしないだけの話だ。 それぞれ特徴があり、南側のShop Right Supermarketは最も店舗面積が大きく、一番繁盛している。2階には立派なワイン・ギャラリーまである。西側のベーカリー隣のCenter Martは、非常に微妙な差だが、他の店より安く商品を販売している。例えば、スニッカーズやLay'sのポテトチップスがShop Rightより5ルピーづつ安い。だからといって、この店でまとめ買いはしないほうがいい。レジのおじさんのキー操作があぶなっかしくて、たまに商品番号を打ち間違えるからだ。この店に限らず、スーパーでは、人力バーコードシステムで商品管理している。レジでは価格ではなく、価格シールに薄っすらとプリントされた番号を打ち込む。品数が多いときは、レジの画面を覗き込むか、レシートをリクエストするなどして確認したほうがいい。もう一つのスーパー、北側のThamel Super Marketは、これといって特徴がなく、品揃えも先の2店ほど良くない。
インターネットタメルにあるネットカフェのほとんどは一時間100ルピーの協定価格で商売している。幸いポカラのレイクサイドと違い、この協定に参加していない店も少なからずある。路地裏の店など、探せば一時間50ルピー程度の店は結構見つかる。また、100ルピーの店でも、支払い時に「前回60ルピーでOKだったよ」と小声でささやくと、あっさり料金を下げてくれることもある。一時間100ルピーで十分利益が出るのだ。 この環境の中で、異彩を放っているのが一時間25ルピーの店。カトマンズ・ゲストハウスから3分ほど南に下った場所にあるこの店は、まさに私が探し求めていたものだった。格安料金とはいえ、回線は充実の1Mbps(光ファイバー)。店主が言うには、プロバイダーに年間65000ルピー払っており、一ヶ月あたり5416ルピーのISPコスト。4台しかない端末で、採算が合うのかこっちが心配になってくる。今度ネパールに来たときにも店が存続していることを願うばかりだ。 ランドリー当日仕上げのランドリー(マシン洗い)の相場は1kg50ルピー。十分安いのでさらに安いところを探したことはない。ランドリーの看板はそこら中にあるが、たいていゲストハウスやネットカフェなどが、洗濯屋に取り次ぐだけなので、大きなディスカウントは期待できない。ここでは、この1kg50ルピーが本当にお得なのか検証してみたい。他の旅行者エリアの相場を見てみると、ラダックのレーで1kg70ルピー(112ネパールルピー)。デリーのメインバザールでTシャツ一枚最低10ルピー(手洗い)から。これでは50ネパールルピーで3枚しか洗えない。バンコクのカオサンでは30B/kgで約67ネパールルピー。こう見てみるとなかなか競争力がある。 タメルでは、マシン洗いの格安ランドリーに加え、ドライクリーニングの店もある。トレッカーのニーズに答えるように、寝袋(250)、ダウンジャケット(150)、バックパック(350)などのアイテムも料金表に載っている。翌々日仕上げでやや割高だが、量が少なければ我慢できるレベルだろう。 ガイドブックタメルでは、地図やガイドブックを中心に、洋書を扱う本屋が山ほどある。特にロンプラの品揃えがいいので、デリーと並んで、次の目的地のガイドブックを買うのにもってこいの場所だ。未だに理解できないのが、ロンプラ価格の法則。タメルの本屋では、定価(ドル)と売値(ルピー)があまり比例していない。同じ定価26ドルのものでも、本に貼られている価格がバラバラ。特に、ネパール編とインド編だけ飛びぬけて安い。 基本的に、どの店もインドのエージェントから仕入れている。従って、新版販売時、または仕入れ時のドル・インドルピーの為替レートが価格に反映されるはず。..なのだが、発売開始時期と推定適用レートに大きな相関は見られない。いつのレートを使うのか、レートに利益を含ませているのか、同じ定価でも卸値がちがうのか..考えてもよくわからない。そんなの聞けばいいだろ、と言われそうだが、これまで気軽に質問できそうな雰囲気に恵まれなかった。「ロンプラ価格の法則」の解明は今後の楽しみに取っておきたい。 ただ、はっきりしていることは、どの店も20%程度の利益を乗せて販売していること。よって、本に貼ってあるルピーの売値から10%差し引いた価格を提示すればいい。大型書店でなければ、たいていまけてくれる。
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補足物価
ネット屋
ガイドブック
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トレッキング・グッズを攻略タメルには、星の数ほどトレッキング用品店がある。同じような店構えで、同じような品揃え。似たような商品を大差ない価格で売っている。ディスカウントの許容度は、店によって違うので、1000ルピー以上の物は、何軒か比較してみるのがいい。個人的には、どこで(安く)買うかよりも、どの商品を買うかのほうが重要な気がしてならない。 オリジナル vs コピーこれらの店には、有名ブランドオリジナル、無名ブランドオリジナル、高品質コピー、低品質コピーが混在しており、一見の客には何だかよくわからない。コピーといっても、デザインをそっくり真似たものはほとんど無く、ブランドのロゴを勝手に使っている、と解釈したほうが正しい。店の人は仕入れ値に利益を乗せて売っているだけなので、コピー品をオリジナルの値段で売ることはまずない。売り手も、どれがオリジナルで、どれが違うかわきまえており、聞けば教えてくれる。高品質コピーをオリジナルと言い張る人もたまにいるが..。 タメルには、オリジナル品のみ扱う店が何店かあり、Tridevi Margに4,5軒。そのうち一軒はThe North Face, 一軒はMountain Hardwareの専門店。カトマンズG.H.近くのT字路の近辺に2軒。そのうち一軒はKingCamp(中国ブランド)の専門店。この記事は、主にその他大勢の一般的な店についての話である。アイテムごとに見ていきたい。 ジャケット、フリース店によっては大きな面積を占めているのが、ゴアテックス・ジャケット、ダウンジャケット、フリース、ウィンドブレーカーなどの上着類。たいていノースフェースのロゴがついている。Gore-Texやフリースなどの生地を海外から輸入して、国内で縫製しているケースが多い。中国の工場あたりで大量生産かと思いきや、その店の工房で作っている場合もある。生地がある程度よくても、縫い合わせやジッパーなど潜在的な問題がある。また、洗った後どうなるのかも未知数だ。Gore-Tex XCRのタグの付いたジャケット(2500-3000)などは、オリジナル品(13000-26000)との価格差を考えると、低品質コピーに属するのかもしれない。フリース(ダブル、600-800)は価格が安いので、試しに買ってみても損はない。 靴多くの店で、コピー品(ノースフェイスやメレル)や無名ブランド(中国製、ネパール製)の靴をを扱っている。これは高品質コピーの分野で、見た目本物と大差ないものもある。ややこしいことに、たまにコピー品・オリジナル扱う店がある。値段はトレッキングシューズで2000-5000くらい。ネパールの一般的な靴屋では、全く別のバリエーションのコピー製品(Nikeとか)が売られている。 バックパック一部例外を除いてコピー品。トレッキング用バックパックをレンタルするところはあまり多くなく、また製品の価格も安いため、使い捨てで購入する需要がある。値段はサイズにより変わるが、1500-4500くらいか。どちらかというと低品質コピーに属する。今回、トレッキング用に50Lのバック(2500->2000)を買った。計30日以上使用したが、両肩のベルトがすぐ緩むくらいで、特に問題はなかった。この手の製品に問題があるとすれば、肩ひもの緩みとジッパー。生地が破れることはそうそうない。大型のものなら背負い易さも考慮する必要がある。 では、旅行用のバックパックとしての購入はどうだろうか。これは、非常にいいアイデアのように思える。小型のリュックを除いて、バックパックは日本では安くない。コピー品にもメリットがあり、オリジナルにはないデザインのものもあるため選択肢は多い。ただ、この手の商品は、ネパールでなくとも旅行者の多い町で売られているので、焦って買う必要はない。自分は鍵がかけられるタイプのバックパックが欲しいのだが、コピー品の世界でさえ、この要求を満たすバックパックはほとんどない。 ヘッドライトタメルの店では、中国製の格安ライトと、ぺテル、ブラックダイアモンドなどのブランド物を両方扱っている。ブランド物は、同クラスの製品で、中国製の倍以上高いものの、日本で買うよりは安い、という隠れたメリットがある。これまで、中国製ライトで痛い目にあっていた私は、ちゃんとしたメーカー物のヘッドライトを探していた。こういう商品は、他の町ではなかなか手に入らない。 ブラックダイアモンドの製品が数種類販売されており、購入意欲が刺激される。珍しく定価販売で、ほとんどの店は全くディスカウントに応じない。私はたまたま13%ほど割り引いてくれる店を発見して、そこで購入した。円高の今、どこまで節約したのか計算してみた。Spotというモデルで、定価が3050ルピー(3660円), ディスカウント後2650ルピー(3180円)。日本での販売価格が4830円なので、35%引きで買ったことになる。ただ、保証に関しては期待しない方がいい。 保温性シャツトレッキング用のインナーとして、速乾性のシャツ(Quick-Dry Shirt)や保温性シャツ(Thermal Shirt)が売られている。よく見かけるのが、Mountain HardWear(中国製)のサーマルウェア。Polartec素材を使用しており、薄いが暖かい。上下、それぞれ1500ルピーという微妙な値段がついている。同様の製品が、専門店では3000ルピーほどするので、オリジナルではなさそうだ。とはいえ、コピー品にしては質がいい。これが高品質コピーというものか。私も一着持っているが、何度か洗っているうちに毛玉だらけになってしまった。もう少し高品質のサーマルウェアも流通しており、こちらは韓国製でオリジナル(Kolon Sport)。上下セットで3500-4500ルピーほど。 トレッキング・ソックストレッキング用品店は、想像以上に多くの商品を扱っており、見えるところに置いてなくても、言えば出てくることが多い。トレッキング・ソックスもそのひとつで、地味ながらどこでも扱っている。ただ、商品のバラエティは少なく、たいていは韓国製の偽ノースフェイスだ。トレッキング・ソックスの特徴としては、分厚く暖かい、蒸れにくい、ずれ難い、丈夫、などが挙げられる。価格は150-200ルピー程度。正規品店では、同様の商品が1000ルピーはするのでお買い得。私もこの靴下を愛用しており、結構気に入っている。3足1000円セールの靴下より安く、1年使っても破れる気配がない。ただ、ひとつ問題があり、この靴下はLサイズ(26-28cm)しか流通していない。店の人は「フリーサイズだ」と言い張るのだが...。私の足のサイズは、これよりやや小さいが問題なく使えており、これからも使っていきたい。 手編みのウール製品(帽子、靴下)これらの商品はトレッキング・ショップではなく、路上の帽子屋や手芸製品店を中心に売られている(200-300)。また、トレッキング・ルート上の村々でも、現地の女性が製作して販売している。ウールの帽子はいかにもツーリスト然として見えるので以前は敬遠していた。しかし、実際に使ってみると、耳当てが暖かく、寒い場所では手放せない。慣れればつけたまま寝ても違和感無し。唯一の欠点は、日中汗をかくとムレムレになること。ウールの内面はフリース生地になっているため、通気性が悪い。よって、トレッキングには、日よけの帽子と防寒用の帽子両方が必要になる。 同様の手編み製品として、手袋や靴下もある。帽子と同じ構造で、中はフリース地。靴下は、リビング用スリッパのような形をしていてかわいらしい。
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補足Black Diamon - Headlight
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ネパールの危機管理ネパールは沈没に適した国といえる。滞在費用が安く、人はインドと比べて穏やか。タメルやレイクサイドのように旅行者に特化した場所もあり、ビザの延長も楽勝だ。一見、ユートピアのようだが、実際のところやっかいなことが多く、決して暮らしやすいわけではない。主な問題への対策を考えてみたい。
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補足
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カトマンズの正月ネパールの人は西暦の新年を祝うようである。日本人がクリスマスを祝うのと同じような感覚で。特に、ポカラでは、ストリートフェスティバルと時期が重なるため大変盛り上がる。(参考記事: 後の祭り) では、ネパールの首都カトマンズはどうだろうか。同様のイベントはないものの、人口はポカラの比ではない。 タメルの年越しタメルは旅行者エリアであると同時に、ジモティーの盛り場でもある。大晦日の日には、現地人で大変混雑し、どこからともなく若者がバイクでやってきては、狭いタメルのストリートを雄たけびを上げながら徘徊する。現地人のグループがどこへ向かうのか観察していると、タメルに沢山あるダンスバーだったり、普通のバーだったり、路地裏の置屋だったりイロイロ。一部のネパーリーにとってタメルは歌舞伎町のようなところなのだ。年越しの時間が近づくと、観光客も何となく外に出て何か起こらないかとうろちょろし始める。タメルの中心である、スーパー密集地帯のT字路に、だんだん人が集まってくる。自然発生的に集まった人達がカウントダウンを開始し、一体感を感じながら新年を迎える。日が変わると、一部の人達は「A Happy New Year!」と抱き合い、陽気な人達がさらに雄たけびを上げる。外国人率が高いためか、期待通りの展開だ。ただ、俗っぽさはポカラと変わらない。 日本式の正月では、日本人らしく過ごすにはどうしたらいいか。日本料理店ロータスでは、正月三日間に限り、おせちセットを提供していた。雑煮に加え、煮豆、大根、ガンモドキの煮物、カズノコ、魚の昆布まき、卵焼き、チキンステックにみかんのオールスター・セット。取り立てて日本食びいきでない私も、ロータスの食事のうまさだけは認めざるを得ない。300ルピーのおせちセットは、現地の食材(多分)とは思えないほどレベルの高いものだった。 ここで日本の新聞でもあればベストなのだが、残念ながらロータスには置いていない。読売新聞の衛星版は街の本屋でも買える(320)ものの、このおせちセット以上の値段で手が出ない。年末年始という年の節目は、日本人にとって大きな意味があり、カウントダウンとかそういうレベルの話ではない。カウンターの向こうのネパール人コックはそのことを理解しているのだろうか。おせちセットのすべての料理を平らげ満足げな顔でいると、若いコックは何ともいえない笑顔で微笑んだ。
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補足
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ネパールでカメラ修理3週間にわたるアンナプルナ・トレッキングの結果、再びデジカメの調子がおかしくなった。強風、寒さ、激揺れバスなど壊れる要因は山ほどあったが、結局のところ、レンズに砂やホコリが入ったのが原因。2台あるうちの1台は、ズームが壊れ、もう一台は、写真に多数の影が写る。CCDにゴミが乗っているようだ。 ネパールのカメラ事情最近は、タメルにカメラ屋が増えたものの、やはりネパールのカメラ街といえば、ニューロード。ダルバール広場に近いこの通りには、カメラ屋、コンピューター・ショップ、宝石店など、小金持ちのニーズに答えるお店が集まっている。カメラは、中には割安な価格で売られているものもあるが、大半が"メーカー保証なし"の輸入品。ネパールには、カメラメーカーのサービスセンターがなく、商品は、マレーシアなど他の国から持ち込まれる。ソニーなど、保証付のものもあるが、正規の代理店経由のため、2割ほど値段が高い。それでも、カメラ店は繁盛しているようで、ひっきりなしに客がやってくる。初期不良があったらどうすんの?と思うのだが、恐らく客は店に文句をいい、店は輸入代理店に文句を言い...と不毛な展開が予想される。 カメラ修理 - 1台目そこで出てくるのがカメラ修理店である。ニューロードに3店ほどあり、技術力が要るため、数は多くない。まずはズームが壊れたメイン機を修理したい。ニューロードに店を構えるA to Z Camera Careに入ってみた。2階に上がると、小奇麗なオフィスと作業スペースがあり、意外に洗練されている。受付で故障箇所を説明し、見積もりを求める。すぐには答えが出ないようで、腕のいい技術者がいる別店舗に連れて行かれた。そこには、とっ散らかった机で作業するアメリカ原住民似のあくの強そうな男が座っていた。彼はカメラを少しいじると、「ホコリだね。分解して掃除するから1500ルピー」とすぐに見積もりを出してくれた。パナソニックのカメラはネパールではあまり流通していない上、メニュー表示も日本語だけ。「この機種修理したことあるの?」と聞くと「俺はA-Zだ。任せとけ」と自信たっぷりに言う。経験を積めば、カメラの構造など手を取るようにわかるらしい。実際この店は、A-Zの名前の通り、一眼レフ、ビデオカメラから携帯電話まで幅広く修理を手がける。作業場の棚にはパーツを製品毎に整理したタッパーが並ぶ。このA-Z師匠、変な日本語を操り、外見もかなり怪しいのだが、腕はよさそうだ。思ったより高いがその料金で修理に出すことにした。翌日には修理は完了しており、レシートには「保証は4ヶ月間」と書かれている。同じ問題が再発したらただで直してもらえるのだ。ネパールのカメラ修理店は思ったよりちゃんとしていた。 カメラ修理 - 2台目 自分で挑戦さて、私にはもう一台修理が必要なカメラがある。こちらは一応作動するものの、写真に影が写り、キーパッドの反応もおかしい。キーパッドに関しては、師匠が修理しているのを横で見ており、自分でも直せそうな気がしていた。実際やってみると簡単で、背面のカバーを取り、たまった埃をブラシで掃除するだけ。この勢いで、レンズとCCDの汚れも掃除しよう...と張り切ってみたが、どうしてもこれ以上分解できない。結局あきらめて修理に出すことにした。 再びA-Zに行くと、師匠の見積もりは1500ルピー。このソニーのカメラはレンズ部分の分解が難しいらしい。他の店でも見積もりをとってみたが、やはり1500ルピーでディスカウントに応じない。どうも譲れない相場があるようだ。ちなみにこちらの店はLink Repair Center。受付の男性は実直そうな性格で、ぼっている可能性は少ない。いろんな意味でA-Zよりちゃんとしてそうだが、保証期間を設けていないのが残念。また、土曜日は技術者が休みで作業しないので、どうしても明日(土曜日)までに直したい私は、再びA-Zで直すことにした。 カメラ修理 - 2台目 修理の難しさ翌日、カメラを取りに行くと、まだ直っていない。師匠が言うには、今日は土曜日で誰も来ないので直せないらしい。自分で修理するんじゃないの?と聞くと弟がやるという。話が違うと抗議し、夕方までに直すよう約束をとりつけて店を後にした。夕方、修理完了を電話で確認してから店に行く。作業場に入ると、師匠が一心不乱に作業していた。まだ直ってないじゃん。相変わらず、口からでまかせの人だ。しかもズームがうまく起動しないようで、レンズの筒をデコピンしたり引っ張ったりして荒っぽい。「今日は無理だよー。明日ねー」と日本語で泣き言が始まった。 この時、タイミングよく弟が登場して修理を再開。カメラを手に取り器用に分解していく。師匠の方ははんだ担当で、レンズ部分と回路部分を分離したり付直したりする。それ以外の作業は優秀な弟が行い、隣に座る師匠は女性スタッフをからかったりして時間をつぶす。作業を傍で見ていたが、弟は技術力抜群で作業が速い。そんな彼でも修理終了まで45分かかった。師匠のほうは、「今日2時から作業して、1500ルピーは安すぎるねー」と不満たらたら。彼は、約束どおり自分で直そうとしたが、思ったより難しくて弟の応援を待ってのだ。実際に作業していたのだから文句はない。 このカメラの問題は、レンズ内部とCCDのゴミ。修理したカメラで写真を撮ると、沢山有った写真の影はなくなっていた。しかし、明るい背景でズームすると一箇所だけ小さな影が見える。そのことを師匠に指摘すると、「レンズも掃除したし、CCDも薬品で二回も拭き取った。それがCCDの傷の場合は直せない」という。この辺りがレンズまわりの難しいところだ。同じ作業をしたところで、分解、クリーニング、組み立て、すべて終わって初めて再テストできる。手間のかかる作業をそばで見ているので、強要はできない。私も鬼ではない。とりあえずOKを出して帰宅した。問題が大きければ、保証期間内にまた来ればいい。修理したからといって完全に元に戻るとは限らない。今日は、そんな現実を学習した日だった。 写真: 細かい作業をする弟。
| 補足
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遊覧飛行..のようなもの。Mountain Flightヒマラヤ観光の一つとして、マウンテン・フライト(遊覧飛行)というものがある。これは、カトマンズから小型飛行機でエベレストの辺りまで行き戻ってくるくるもの。毎朝、各航空会社が便を持っており、約1時間のフライトで価格は150ドルくらい。単純往復なので、左右どちらの席に座ってもヒマラヤが見える。天気というリスクがあるものの、これは非常に価値がある。ネパール側で、エベレストが見える場所はほとんどない。あっても小指程度にしか見れない。近くまでトレッキングすれば大きく見えるが、逆に近すぎるため、カラパタールでさえ山頂の一部しか見えない。このマウンテン・フライトは距離と高さを兼ね揃えており、地上では体験できない立体的な眺めを楽しむことができる。いいことづくめだが、少し割高な料金がネックで、私はこれまで乗ったことがない。 バンコクへのフライト急用ができて、バンコク経由で日本に帰ることになった。ネパールの困ったところは格安航空会社がほとんど就航していないことだ。アジア方面に向かう片道フライトで一番安いのはネパール航空のバンコク便で、この時期(1月初旬)230ドル程度。一応ネパールを代表する航空会社だが週3便しかなく、席が取り難い。なんとかチケットを入手して空港に向かった。よく考えると、カトマンズからバンコクのルートはヒマラヤにほぼ平行して飛ぶはず。ということは、マウンテンフライトに参加することなく、ヒマラヤ遊覧飛行を疑似体験できるかもしれない。 遠くてもヒマラヤ当日、左端のA席(ヒマラヤ側)を確保し出発を待つ。本来、この便は朝のフライト(9AM)なのだが、飛行機の遅れで出発は1時過ぎ。すでに軽い霞が出ており、ちゃんと山が見えるか不安だ。滑走路を北から南に走り離陸。すぐに右に旋回すると、いきなりマナスルが視界に飛び込んできた。よく見るとその左にアンナプルナがある。この間ほんの1分。上空はスモッグもなく、視界はクリアーだ。旋回した後、進行方向を東南方向にとる。この後しばらくヒマラヤの長いスノーラインを眺めながらのフライトになる。ガネッシュ、ランタンから始まり、かなり先まで雪山が伸びている。ヒマラヤまで50-100kmほど距離があるため、遠めにしか見えないが、山の形ははっきりとわかる。ひときわ高い山が遠くに見える、あれがエベレストだろうか。その山との距離が縮まるにつれ、予想は確信に変わった。最後にカンチェン・ジュンガを過ぎて雪山終了。約15分のショータイムは終わった。本物のマウンテンフライトをバックネット裏とすれば、このフライトは外野自由席。それでもヒマラヤはヒマラヤ。 写真:アンナプルナ山脈。左から、アンナプルナ・サウス、マチャプチュレ、アンナプルナI、アンナプルナIII、アンナプルナIV、アンナプルナII。普段とは視点が異なるため、風景がかなり違って見える。 写真: エベレスト周辺。左から、チャンツェ、ヌプチェ、エベレスト、サウス・コール、ロチェ。 |
補足マウンテン・フライト
国外へのフライト
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