イーグルネストで鷹の目ウォーク

フンザで一番標高の高い村ドゥイカル(Duikar, 2800m)。この村の見晴らしのいい丘の上にイーグルネストという高級ホテルが建っている。隣町のアルティットから山の中腹まで上ったところにあり、カリマバードからも見ることができる。散歩がてらに行ってみることにした。




旅行時期: 2009年10月前半
為替: 1ルピー = 1.07円
作成日: 2010.02.10

目次


鷹の巣への道

人気の半日ウォーク

イーグルネスト(Eagle's Nest)はこの一帯で最も眺めのいいホテル。カリマバードからの人気の日帰りハイキングコースで、みんなお茶だけして帰ってくる。一応高級レストランなので、食事は安くない。少し考えたふりをして、結局一番安い飲み物を注文してしまう。言ってみれば、フンザ版エベレストビュー・ホテル。ただし、宿泊料金は、エベレスト・ビューほど高くはない。

道は簡単

まずはゼロポイントを出発してアルテイット村(Altit)まで歩く。鉄塔(Cafe de Hunza近く)の先の道を越えると、イーグルネストが遠くの丘の上に確認できる。少し下って橋を渡り、道沿いに歩くと、アルティットの集落に到着する。ここまで来ると、山に近すぎてイーグルネストは見えない。到着するまでホテルは見えないが、道はわかりやすい。

アルティットの中心、商店が並ぶ辺りで道が二手に分かれる。まっすぐ行く道は、丘を登りドゥイカルまで続く。右に折れる道は、アルティット・フォートのあるエリアにつながる。ここからイーグルネストへは、ずっと舗装道路を歩くことになるのでちょっと退屈そうだ。

道路 or 近道

近くにいた若者に近道はないか聞いてみた。すると彼は、「そこの商店の脇から上ると約10分節約できるね。後は道沿いかな。みんな、変な方向行っちゃうからな...」となぜか渋ってそれ以上教えようとしない。まあ自分で見つければいいや、と最初の近道を歩き出した。

民家の密集した集落を抜け、すぐに道路に出た。緩やかな登り坂を進んで行く。途中、ジグザグに進む道路をショートカットするパスがあるが、どれも大して時間の節約にならない。また、山の上へと伸びる整備された石段が2,3箇所あり、試しに登ってみるも、果樹園への道だったり、全然違う方角だったりして引き返す羽目になる。それもそのはず、イーグルネストは位置的には真上にあるが、ドゥイカル村への道は、山の右側を大きく回って登っていくので、結局道路を歩くのが一番早いのだ。あの若者は正しかった。「もう近道なんてしないよ、絶対」と心に決め、ペースアップして道沿いに進んだ。

道路沿いのトレッキングは、そんなに悪いものではない。途中から遮るものがなくなり、南側の山や村がよく見える。また、村の人達と頻繁にすれ違うので、歩いていて飽きない。にこやかに挨拶をしながら、先に進む。一直線だった道が2,3度大きくカーブし、やや平坦な場所に出た。ここがドゥイカル村の中心のようだ。売店を過ぎ、xxxほど歩いてイーグルネスト・ホテルに到着した。ゼロポイントから一時間半の道のりだった。

写真:ドゥィカルへの坂道を登る途中、アルティット/カリマバード方面を振り返る。

イーグルネスト 行き方

  • ゼロポイントからイーグルネストまで、目安は2.0-2.5時間。11km、ジープで25分。以下、ゼロポイントからイーグルネストまでの道のり。
  • アルティット村までは2つ道があり、1つはバザール沿いの赤白の鉄塔の先の道を越えていくルート。もうひとつは、ゼロポイントから少し下り、NBP銀行の前の水路沿いを歩いて行く道。合流地点までそれほど距離がないので、大差はない。一番目の道は、途中下りで近道ができるメリットがあり、二番目の道は、余計な登りがない。
  • 丘の裏側に回ったら、一本道がアルティットまで続いている。木の橋を越えて歩き続けると、商店が並ぶエリアに出る。そこで右に行く道と、まっすぐ行く道がある。右の道はアルテット・フォートへ続くく道。まっすぐ進む道は遠回り。左側に並ぶ商店の脇、奥の民家に続く登り道があるので、その道を通る。これが近道
  • しばらく歩くと、集落を抜け、道路に合流する。この後は、ひたすら、道路沿いに歩き続ける。ドゥイカルの集落(売店あり)を経て、道の終わりにイーグルネストがある。
  • 目安: 
    アルテットの分岐まで 30分。
    ドゥィカルの商店まで 90分。
    イーグルネストまで 15分

補足

  • 正確にはイーグルズ・ネストだが、呼びにくいのでイーグルネストにしておく。
  • 鉄塔の隣の高台には墓地があり、アルティット村を見渡せる。

風の谷View

 

イーグルネスト・ホテル(Eagle's Nest)は急な斜面の上に建っており、部屋からはラカポシなど対岸とフンザ川沿いの景色が良く見える。 客室によってはウルタル側の山(ウルタル、レディフィンガー、フンザピーク)が、一部ではあるが近くに見える。ホテルに入っていくと、気のいいマネージャーが迎えてくれた。私はお茶だけ飲みにきたのだが、話の流れで部屋を案内してもらうことになった。

客室の建物は3つあり、どれもオフシーズンで大幅にディスカウントされている。一番安い部屋(LFブロック)で1000ルピー。ただ、この建物はすでにボイラーを止めているため、ホットシャワーが使えない。その代わり、グレードの高い2000ルピーの部屋(ラカポシブロック)を同じ値段で泊まらせてくれるという。1000ルピーといえば、今泊まっているゲストハウスの五日分。でも円で考えると、約1100円で、漫画喫茶の格安お泊りプランより安い。残念ながら、辺鄙な場所のため、交通手段がなく、食事も割高のホテル内レストランしかない。1、2日が限度だろうが、一日中部屋のバルコニーでフンザを見下ろしながら過ごして見たいものだ。

写真: 上: ラカポシブロックの角部屋のバルコニーからの眺め。左: ラカポシ・ブロックの建物。裏の岩山を越えていくとホシットに至る。右: レストランからカリマバード方面を見下ろす。

Eagle's Nest Hotel

受付と奥のレストラン

ラカポシ・ブロックのツインの部屋。

 

部屋

3つ建物がある。全室ラカポシ・ビュー

  • ラカポシブロック (道路わき)
    通常:3000-3500,オフシーズン:2000
  • レディーフィンガーブロック(敷地の下のほう)
    通常:1500,オフシーズン:1000
  • フンザブロック (レストランの隣)
    通常:3500-6500 (部屋による)

その他

  • 営業期間: 3月始め-11月終わり。まだ寒い3月はどう考えてもオフシーズンだが、桜(杏の花)目的の日本人ツアーという特需があるため、3月からオープン。
  • カリマバードからも目視で確認できる。周辺に大きな建物はないので、夜見るとはっきりわかる。
  • マネージャーいわく、相手によって値段が違うらしい。旅行会社経由の"リッチ"な観光客の場合、高めの料金で。自分でやってくるような"バジット"な旅行者の場合、安めの料金を提供するという。
  • 滞在するメリットとしては、フンザの夜景が見える。また、山の天気は変わりやすいため、ここに滞在してしまえば、いい景色が見れる確立が高い。
  • ドゥイカル村への公共交通機関はない。ほとんどの客は車で来ているので、ホテルのシャトルバスもない。カリマバードで予約すると、送迎があるらしい。
  • 水は近くの湧き水から取っており透明。そういえば、道沿いの水路の水は透明だった。

食事

  • 紅茶: 30、オムレツ: 70
  • 紅茶などは、おおきなコップで出てくるので結構量が多い。

その他

  • キャンプ場: Sunrise HotelとSky Campingがイグルネスト・ホテルのすぐ横にある。Sunrise Hotelにぼろい売店兼調理場があるが、値段はやはり山価格。コーラ50ルピー。
  • ホシット: ウルタル側の岩山の向こうに、ホシット(Khosht)と呼ばれる展望ポイントがある。そこからは、ウルタル氷河を上から見下ろすことができるらいい。往復4-5時間。


貧者の展望テラス

お茶だけ飲むのなら、イーグルネストは決して高くはない。席はテラスか中のレストランの好きなほうを選べ、どちらも眺めはいい。それでも、お茶に30ルピーも払えるか!という価格重視の人達に2つほど代替スポットが用意されている。裏のキャンプ場と隣の丘だ。

ホテルの裏に2つキャンプ場があり、テントを持っていれば泊まることができる。Sunrise Hotelの場合、敷地がイーグルネスト(ラカポシブロック)の真後ろの為、通常3500ルピーの角部屋と眺めがまったく同じ。試しにお茶を注文してみると、プラスチックのいすとテーブルを敷地の端に用意してくれた。簡易テラスのできあがりである。お茶の値段は10ルピー安くなっただけだが、何と言うか開放感がある。柵のない敷地に土の地面、景色を見ながら風を感じた瞬間だった。(表紙の写真)

一銭も使いたくないさらにケチな向きには、すぐ隣の丘がいいだろう。ここからは、ホテルからは見えない南東方向の雪山も見渡せる。丘の端には二人ほど座れる岩があり、そこでリンゴでも食べながら与太話をする。地元の人も愛用する展望スポットである。

写真: イーグルネストの隣の丘。岩に座って食事。

鷹の目ルート

お茶を飲んだら帰ることにする。同じ道を戻ってもつまらないので、そのまま北側の山を伝って直接カリマバードに行くルートをとりたい。山の方に向かって歩き、放牧場を越えた辺りから道がスタートする。このルートは、水路沿いの道を中心に歩く道で、イーグルネストから徐々に高度を下げながら山腹の道を横に進んでいく。最後、フォートの裏辺りで川まで降りて橋を渡り、カリマバードに到着する。高く開けたところを歩くため、常に南側のラカポシやディランの山々, 進行方向にあるカリマバードや真下のアルティットがよく見える。まさに鳥の視点でのウォーキング。時々トゲのある植物が足に当たって痛いが、全体的に道はわかりやすく、歩きやすい。 川へ降りずに歩き続けると、ウルタルB.C.へのトレッキング・ルートと合流する。計1時間30分。さほど有名でないが、充実感のあるルートであった。


写真: 左: 温泉旅館のようなアルティット・フォート(現在修復中)。右: バルティット・フォートの裏側

鷹の目ルート

  • イーグルネストからフォートまで、目安は2.0-2.5時間。
  • ホテルを出て、岩山のほうへ続く道を行く。大きな岩の裏を通り、放牧場の石垣の横を進む。石垣がなくなる少し前に、石垣を超えて下に下りる。そこに枯れた水路(水路#1)があるので、水路沿いに進む。
  • すぐにトゲのある植物が邪魔で進めなくなったら、下に道を取る。枯れた水路(水路#2)沿いに道があり、すぐ近くに石の小屋と大木がある。水路沿いの道を進み、突き出た岩が道をブロックしている所で下に進む。
  • 道沿いに行くと、草木のないエリアに出るので、そこを下っていく。途中、はっきりした水平な道があるので、先へ進む。水のある水路(水路#3)に合流し、そのまま歩き続ける。
  • ウルタル川を見下ろす崖の上に出る。水路に沿って右に曲がると、ウルタル・トレッキングのルートに合流する。ここでは、右に曲がらず、左側の丘に降りる道をとる。丘をまっすぐ道沿いに下りていくと、途中から川の上流の方に方向転換する。
  • 急な下りを降りていき、ウルタル川にかかる木の橋を越える。フォートへ向かう道を15分程歩き、フォートの前の道に到着する。
  • 逆方向の場合、最初の川-丘の登りがしんどいのでお勧めできない。同様の理由で、ウルタルトレッキングの場合、向かって右側の水路を歩く標準ルートのほうがいい。
  • 目安: イーグルネスト発
    ウルタル川手前の丘まで: 90分
    下の橋まで: 30分
    バルティット・フォートまで: 15分

ルートまとめ

カリマバード -> アルテイット -> ドゥィカル -> イーグルネスト

道路に沿って歩く。


ルート: 赤い線 - 行きの道。破線は丘の裏側を通る。青い線 - 帰りの道。青い点 - アルティットでの分岐、紫の点 - イーグルネスト。

イーグルネスト-> カリマバード

主に水路を歩き、バルティット・フォートの裏で、川に下りて橋を渡る。

ルート: 赤い線 - 行きの道。青い線 - 帰りの道。
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