おとぎの国 フェアリーメドウの真実

Fairy Meadow(おとぎ話牧場)という洒落た名前のキャンプ地がある。標高8125mのナンガ・パルバットを見上げる草原で、パキスタンにはめずらしくロッジが完備されている。最強の安・近・短トレッキングといわれるこのルート。その実力を探りに出かけてみた。



旅行時期: 2009 年10月終盤
為替: 1ルピー = 1.08円
作成日: 2009.02.10

目次

Fairy Meadow

世界第9位、8125mのナンガ・パルバット(Nanga Parbat)はヒマラヤ山脈の西の端にある。山の岩壁は3つあり、ライコット・フェィス(Raikot Face、北面)、ディアミール・フェイス(Diamir Face、西面)、ルパル・フェイス(Rupal Face、南面)。このうち、北壁のライコット・フェイスはギルギット(Gilgit)からそう遠くなく、最もアクセスがいい。フェアリーメドウは北壁に向かう途中にあるキャンプ場で、ナンガ・パルバットが真正面に見える。最寄のタトー村の住民が山小屋を経営しており、宿泊施設も充実している。

ロンプラはもちろん、歩き方にも紹介されている人気のトレッキング・ルート。その割には、ネットを検索しても、ほとんど引っかからず、情報ノートの書き込みも滅多に見ない。メジャーなのに不人気。そんな、ちょっと気になるおとぎ話の草原を攻略してみたい。

補足

  • [Wiki] ナンガ・パルバット
  • [Wiki] Nanga parbat
  • Nanga = 山、Parbat = 裸の、雪のない、雲のない。
  • ライコット(Raikot)とラキオット(Rakhiot)両方の表記が見られる。どちらが正しいのかわからない。

Day1: フェアリーメドウへの道

事前情報

ロンプラ(2008)によると、フェアリーメドウに行くには、(1)ギルギットのジェネラル・バススタンドからチラス行きのワゴンに乗る。約1時間半後にライコット橋で下りる。(2)そこからフェアリー・ポイントという場所まで行く。ジープ道(15km、1320mの登り)を4時間歩くか、すぐそばのジープ・スタンドでジープをチャーターする(1500ルピー、1時間)。(3)そこから2-2.5時間かけてフェアリーメドウまで山道を登る。これらの情報を信じれば、ジープを使って4.5-5時間。歩いて7.5-8時間ということになる。

宿の人によると、チラス(Chilas)行きのワゴンの始発は8時ごろ。また、フェアリーメドウのシーズンはすでに終わっており、ホテルはすべて閉まっている。しかし、フェアリーポイント手前のタトーの村で、ホテルのオーナーを探し、ホテルを空けてもらえばいいらしい。上まで一緒に来てもらう必要があるが、だからといって宿泊料が割高になることはない。とりあえず、宿泊に関してはなんとかなりそうだ。

ライコット橋へ

1泊2日の計画で行くことにする。突然の雪に備え、レインウェアに傘。ホテル環境もよくわからないので、ロウソクや電灯、防寒具、それにリュック一杯の果物を用意してバススタンドに向かった。

朝8時、ワゴンはバススタンドを出発。しかし、ギルギットから南の道はそこら中で工事をしており、数え切れない程のミニ迂回路(30-40m)を通りKKHを進む。大きなライコット橋(Raikot Bridge)に着いた時には、すでに3時間を経過していた。

ライコット橋を渡った先に、閉鎖中のシャングリラホテルがあり、その手前にジープ乗り場がある。たむろしているドライバーに料金を聞くと、往復4000、片道3000ルピーという。かなり相場が上がっているので、歩いていくことにした。KKHに沿って少し歩いた後、すぐに左側の丘へ登っていくジープ道が見えてくる。これがフェアリーポイントへ続く道である。

写真: ライコット橋

フェアリーポイントへ

歩き始めたものの、4時間ジープ道を登り続けるのはしんどい。その後、さらに2時間の登りが待っており、フェアリーメドウに着くのは夕方になってしまう。これといった解決策のないまま歩いていると、荷台に荷物と人を載せたカーゴ・ジープがやってきた。歩くには遠すぎるから乗ってけという。値段は言い値で1000ルピー。ちょっと高いが、同じチャンスが再びやってくる保障はないので、妥協して乗ることにした。

そのおんぼろジープには、フェアリーメドウのホテルのオーナーが乗り合わせており、大工を連れて新しい山小屋の建設に向かう途中だった。Fairy Meadow View Pointホテルを経営するその男性は、日本の旅行会社と働いたこともあり、日本びいきで少々日本語も話す。いろいろ話を聞いてみて、彼のホテルに泊まることにした。

ジープの助手席に座り出発。良く見ると、この車は年代物のランドクルーザー。車は手前の丘を一気に上り、その後、ライコット川に沿った崖の道をガリガリ進んでいく。この谷は、タトー村を経て、ナンガ・パルバット下の氷河まで続いている。道は、ガードレールのない3mほどのジープ道で、ちょっと運転を誤ると谷へまっ逆さま。みんな安全運転を心がけているようで、これまで転落事故は一件しかない。

写真: 左: カーゴジープ 右: 崖沿いのジープ道。タトー村へと続く。

1時間と少し過ぎた頃、この渓谷の唯一の村である、タトー村(Tato)に到着した。曇ってはいるものの、村からナンガ・パルバットの北壁が良く見える。オーナーの家で昼飯を食べ、さらに10分ほど走り、フェアリーポイント手前の橋に到着。橋は建設中で、車はこれ以上進めない。近くにいた村民に、パスポート番号と名前を届け出て、小川の向こうに渡る。ここが、トレッキングの開始地点でフェアリーポイント(Fairy Point、2666m)と呼ばれている。単に、フェアリーポイント・ホテル(看板なし)があるからで、地元民はこの場所をジェル(Jhel)と呼ぶ。

フェアリーメドウへ

ここからフェアリーメドウまでは、2つ道がある。ひとつは通常のルートで、そのまままっすぐ進み、幅広のゆるやかな道を登っていく。ただ、この道は、少し遠回り。もう一つの道は、フェアリーポイント・ホテルのすぐ後、右手側の急な山道を一気に登っていく。最後、小さなシェパードの集落を経て、フェアリーメドウに至る。この道は、地元民の往来が多く、観光客はあまり歓迎されない。

私は迷わず後者の近道を選択し、先を急いだ。丘を8割ほど登ったところで少し休憩。KKH方向(南)には、カラコルム山脈が見える。丘をさらに登ると、谷の向こう(北)に、ナンガ・パルバットが見え隠れする。

全員何かしら荷物を持っており、オーナーは、オイル缶、二人の大工は、狩猟用の銃とジャガイモの入った袋。私は、リュック満載の果物と万が一系の荷物。それぞれハンディを抱えながらも、健脚ぞろいで、近道を1時間ちょっとで登りきった。

フェアリーメドウ(Fairy Meadow、3306m)には山小屋ロッジが集まる。近道から来ると、最初のホテルがオーナーのFairy Meadows View Point Hotel。第一印象は"意外とこじんまり"。広く青々とした草原をイメージしていたので、少し期待はずれ。村での昼飯ストップに2時間も取られたため、時刻はすでに4時。これからトレッキングに出かけるには遅い時間だ。天気も曇りぎみで、景観はいまひとつ。それでも、氷河の向こうに見える巨大なナンガ・パルバットは翌日の絶景を感じさせてくれた。

写真: フェアリーメドウへの近道。奥にうっすらナンガ・パルバット

フェアリーメドウの真実

  • 真実1: オフシーズン、ホテル休業中でも来れる。
  • 真実2: 走ってきた車に乗るという"有料ヒッチ"という第三の手がある。ただし、運次第。

Fairy Meadowへの道

ギルギット -> ライコット橋

  • チラス行きのワゴン乗り場はジェネラル・バススタンドの一番奥にある。ライコット橋まで130ルピー。
  • 1年ほど前から工事が本格化しており、以前の1.5倍程時間がかかる。工事がなければ、ライコット橋まで、ジープ1.5時間、乗り合いワゴン2時間。

フェアリーポイントまでのジープ

  • ライコット橋から、タトー村に向かう道や、その周りの山は公有地ではなく、私有地である。道路の管理、修復も村民が行っている。
  • タクシーユニオンがあり、運転するジープを順番に割り当てていく。一度客を乗せると、次に順番がやってくるまで客が取れないので、ディスカウントしにくい仕組みになっている。
  • 現在の相場は、フェアリーポイントまで、一台片道3000,往復4000。往復の場合は、何日後の何時ごろ、フェアリーポイントまで迎えに来るか事前に約束する。いつまでいるかわからない人は、ライコット橋のチェックポイントにいるポリスに電話して、担当ドライバーに指定日時を伝えてもらう。帰りのPickupまでの間、ドライバーは、何をしてようが自由である。
  • ツアー客など、部外者の車がやってきた場合、通常、ライコット橋でジープに乗り換え、先へ進む。自前の車を運転してフェアリーポイントを目指してもいいが、その場合も相場の料金を当番のドライバーに払う。そのラッキーなドライバーは、なにもせずに運賃だけもらえる。
  • タトー村の人は、自由に道路を使えるが、車を持っていない人がジープ(8人乗り)をチャーターすると、片道2500ルピー。観光客料金とそうかわらない。
  • 上記の制限があるのは、車での乗り入れの場合で、オートバイ、自転車、徒歩だと、私道ながら、何の料金もかからない。
  • タトー村やフェアリーポイントには、ジープスタンドはない。車を数台駐車できるようなスペースすらない。ドライバーは、どこに住んでいるのか気になる。

フェアリーメドウまで

  • シーズン中は、馬のサービスもある。

オフシーズン

  • ロンプラによると、シーズンは5月から11月。この情報を真に受けて行ったのだが、ほとんどのホテルは十月中に閉めてしまう。しかし、本文のように、オンデマンドでホテルを開けるところもあれば、ガイドに小屋とキッチンの鍵を渡しておき、自由に使わせるところもある。そういうところは、キッチンにジャガイモなど食料を残してあるので、食事も提供できる。
  • そうなると、ボトルネックは雪だけ。フェアリーメドウまでの道が歩行困難になれば、さすがに行けない。12月に行った客がおり、その時は道に雪が積もっていたが、ゆるやかなノーマルルートを歩いて問題なく登れたらしい。11月ともなれば、いつ雪が降ってもおかしくないが、目安は11月中旬くらいから。
  • つまり、オフシーズンは、寒かったり、何かと不便だが、来ようと思えば来れる。

有料ヒッチ

  • 可能性としては、村への荷物を運ぶカーゴ・ジープ(後部が荷台になっているもの)や、他のツアー客を乗せたジープなどがある。前者は、常に一定の需要があるが、数はそう多くない。後者は、シーズン中なら見込みあり。乗せるかどうか、運賃はいくらかは、すでに料金を払っている乗客よりも、運転手に決定権があるように感じた。
  • 有料ヒッチの相場(片道)としては、ツーリスト価格で1000、ローカル価格で500あたりを上限に交渉したい。場合によっては、無料ヒッチもありうる。
  • 有料ヒッチは、1人の場合、安く上がるが、3人以上なら、素直に往復ブッキングしたほうがお得。

その他

  • 持参した銃で、野うさぎ、カモ、雷鳥(Snow Chicken)を捕獲するらしい。

Day1: モダンな施設

ありがたき山小屋

フェアリーメドウのホテルは全部で5つ。どれも、キャンプ地を持っており、その周りに独立した個室の山小屋が並んでいる。小屋は丸太や板を並べた簡素なもので、よく見ると結構壁に隙間があいている。中にはダブルベットがあるだけ。ライコット・サライのようなハイエンドなところは、バスルームもついている。小屋の立地がよければ、部屋の中や手前のバルコニーからナンガ・パルバットの雄姿を見ることができる。

パキスタンには、ネパールのように、トレッキング・ルート上に宿があることはほとんどない。ウルタルB.C. ラカポシB.C.など、シーズン中、テントの貸し出しを行うキャンプ地はわずかながらある。そういう意味では、フェアリーメドウは実に恵まれている。もちろん、テント貸し出しも行っており、小屋の数以上のお客を受け入れることができる。このView Point Hotelでは、3つの小屋に加え、大量の貸し出し用テントを持っている。

写真: View Point Hotelの山小屋。それぞれ一部屋ずつと独立している。

驚きのインフラ

一番驚いたのは、部屋に電気が来ていること。近くに小型水力発電装置があり、フェアリーメドウのホテルに電気を供給している。よく見ると、小屋の床から土の中に電線が延びている。部屋の中には蛍光灯とコンセントが設置されており、パソコン持参で山篭りすることも可能だ。ただ、シーズン終了の10月中盤に発電機を止めてしまったようで、今回私はその恩恵を受けられない。この時期になると、ホテルは営業を停止し、近くに住むシェパードも山を下りてしまう。

もう一つの驚きは、携帯の電波が届くこと。ただし、一番上のキャンプ地の端だけ。 ここは、View Point Hotelの敷地のため、他のホテルの人は昼間以外立ち入ることができない。ホテルの設備リストに「Phone, Domestic & International」と書いてあるのは、こういう仕組みだったわけだ。携帯が使えるということは、理屈の上では、インターネットも可能だろう。

暖房とエンタメ

基本的に、夏の営業なので、暖房設備はない。10月下旬の3300mはかなり寒い。このホテルは幸い、キッチン隣の従業員用スペースにストーブがある。そこで夕食をとり、暖まってから小屋に戻って寝た。小屋は隙間だらけだが、風がほとんどなく、寝袋+布団2枚でぐっすり眠れた。

ストーブのないホテルの場合、外で焚き火をするのが手っ取り早い。実際、火を囲んで語りあったり、焼き芋を焼いたりするのが、夜の娯楽だったりする。このホテルは一歩進んでいて、ミニコンポを持っている。つまり、焚き火にお気に入りのBGMが加わる。ここでも、電気があることが活きてる。

写真: 山小屋の中。ベットと机があるだけ。

フェアリーメドウの真実

  • 真実3: 携帯電波、電源あり、の驚きのインフラ。


Fairy Meadow View Point Hotel

  • 名前を何度か変えている。最初は Fairy Meadow Nights, 次にHeights, そして現在View Point。ロンプラ(2008)には、Fairy Meadow Heightsとして載っている。
  • 客用の小屋は、現在建設中のものをあわせると4つ。テントは大量にあり、日本から買い寄せた幅3mx3m,高さ2mのドーム型テント(4-6人用。28000ルピー)が15個。2-3人用の背の低いテントが22個。学生の遠足にも対応できる。実際、パンジャビの学生を74人受け入れたこともある。寝袋については聞いていない。
  • 現在の料金は、ダブルルーム1000。私はオフシーズン価格700で泊まった。来年までに全室バスルームを付ける予定で、料金は1200ルピーになる。ちなみに、ライコット・サライのA/Bの室料は1600。
  • トイレ(手動水洗)兼シャワーの小屋が2つ。ホットシャワーは薪で沸かす。
  • その他にキッチン兼スタッフルームの小屋、ダイニング用の小屋がある。他のホテルも、キャンプ地の広さや小屋の数に違いがあるくらいで、基本的な設備は同じ。

その他

  • 寒さ: 日中は問題なし。朝晩はさすがに寒いが、普通に眠れた。少し前に泊まったZood Khun(3500)より快適に眠れた理由としては、(1)標高200mの差。(2)ナンガ・パルバットがブロックしているためか、あまり風がない。(3)床でなくベットに寝るため底冷えしない。などが挙げられる。朝8時の気温は、0度。ギルギットならxxxはあるだろう。

携帯、電気

  • 電気があるのはフェアリーメドウだけで、その先のベヤルのホテルには電気は供給されていない。5月-10月半ばまで。
  • 携帯はどのキャリアが使えるか聞かなかった。おそらく、ZongもTelenorも大丈夫だろう。SIM購入やローミング事情は未調査のためよくわからない。
  • 携帯電波はジャルコットから来ている。たぶんView Point Hotelの敷地でなくとも、その手前の丘まで降りれば大丈夫だろう。

Day2: View Pointへの道

翌朝、7時に目覚めると、雲ひとつないいい天気。夜は明けているが、周りは薄暗い。8時を過ぎると、雪山に日が当たりだし、9時にはナンガ・パルバットの方はかなり明るくなっている。といっても、山の北面なので、日の当たるのはほんの一部。メインの北壁部分はうす暗いまま。フェアリーメドウに至っては、太陽が東のブルダル・ピーク(5602m)を越えるまで待たねばならず、九時半にやっと草原が明るくなった。

今日は昨日行けなかったビューポイントと呼ばれる展望場所に行きたい。ビューポイントは、山に向かって2時間程歩いた先にある。実は、ナンガ・パルバットに関しては、フェアリーメドウからの眺めが一番いい。ビューポイントは山に近い分、ライコット氷河の始まりや、ここからは見えない北壁の東側の雪山が良く見える。

9時半に小屋をスタート。隣のブルードビュー・ホテルlを過ぎ、老舗のライコット・サライの中に入っていく。橋を渡り、グリーンランド・ホテルの裏の道を進むと、道は森の中に続いている。後はトレイルに沿って進むだけ。始めに氷河を見下ろす丘の端を歩き、小川をいくつか越えて、松林の中を進む。後半は、小川沿いに歩き、1時間ほどでベヤル(Beyal,3500m)に到着。ここにもホテル兼キャンプ地が3つある。ナンガ・パルバットがより近くに迫って見えるものの、山のパノラマはフェアリーメドウのほうが上。15分ほどかけてバヤルのキャンプ地を抜け、先に進む。最後の小屋から20分ほど歩くとモレーンの端の丘に着く。ここがビューポイント(View Point、3667m)と言われる場所で、隣に大きな岩がある。

写真: 一番目: フェアリーメドウの朝。8:20AM。 二番目: ベヤルからの眺め。

ここで少し休憩。寒さのおかげで芯まで冷えた洋ナシをおいしくいただく。ここからは雪山のすぐ下の氷河の溜まり場がよく見える。残念ながら隣の大岩やモーレンが邪魔するため、ナンガ・パルバットの北壁部分は視界に入ってこない。ここから少しモーレンの斜面を下ると、より視界が広い展望ポイントがある。さらに下ると山や氷河のメイン部分に近くなるが、同時に視点も低くなるため、景色はたいしてよくならない。この道をずっと進むと、北壁手前のモーレン下のベースキャンプ(3967m)まで行くことができる。フェアリーメドウよりはるかに広い草原があるとのこと。日帰りも可能だが、シーズン中は山小屋が一軒営業する。とりあえず、今日はここまでとし、来た道を戻った。


写真: ビューポイントからの眺め。手前、土を被った氷河の向こうに、白い氷河。左奥の山頂は、多分チョングラ(Chongra)ピークの連なり。ナンガ・パルバットの北壁は右側にあり、部分的にしか見えない。

フェアリーメドウの真実

  • 真実4: View Pointは氷河のビューポイント。ナンガ・パルパットは良く見えない。

 

Nanga Parbat

  • ナンガ・パルバットB.C.: ベヤルから往復4、5時間。ライコット氷河とガナル山の間に位置する。途中、一部氷河を渡るので、ガイドが必要なようだ。B.C.(3967m)は、モーレン(4500m)の北側にあり、Camp1(4468m)はモーレンの上にある。

Day2: フェアリーメドウを攻略

他のホテル達

さて、今日はフェアリーメドウをじっくり見てみたい。ここには5軒キャンプ地がある。近道から登ると、ビューポイント・ホテルが最初のホテルだが、通常ルートから来ればライコット・サライ(Raikot Sarai)に到着する。このホテルは、フェアリーメドウで最も有名なホテルで、部屋はバスルーム付で1600ルピーとやや高め。すぐ隣には運動場のように広い牧草地があり、開放感がある。その向かいの森の中にこじんまりとしたグリーンランド・ホテル(Green Land Hotel)が建っており、その間に売店小屋がある。さらにその北の森の中にはフェアリーメドウ・コッテージ(Fairy Meadow Cottage)がひっそりと営業。ここは、ライコット・サライに負けない小屋構えで、他のキャンプ地から離れていて隠れ家的存在。ライコットサライから南に進むと、ブロードビュー・ホテル(Broad View Hotel)とビューポイント・ホテル(View Point Hotel)が隣接してある。この2つは、氷河を見下ろす丘の縁に建っているため眺めがいい。ただ、すぐ横が森なので少し窮屈な感じはある。コッテージやグリーンランドは森の中にあるため、そこから氷河や谷は見えない。フェアリーメドウやベヤルには、すぐそばにシェパードの集落があり、夏は青々とした草原と共に、より賑やかな雰囲気が展開されるのだろう。

写真: Fairy Meadow Cottage

キャンピング

どのホテルも、小屋の数はさほど多くなく、やはりテント泊まりの客を当てにしているようだ。各ホテルは敷地内にキャンプ・サイトを持っており、小額の費用で、そこにテントを張ることができる。(キャンプ代100, テント貸し出し300-500)。通常、ホテルで一番立派な建物がダイニング小屋で、20-30人くらいのキャパはある。もちろん、キャンプ地なのだから、自分で調理道具を持参して食事しても問題ないはず(未確認)。シーズン中は、売店小屋が営業し、各ホテルでも水やビスケット程度の販売は行われる。あくまで推測だが、 陽気な人たちは、キャンプファイヤーの周りで楽しみ、そうでない人たちは、ダイニングルームや部屋でプライベートに過ごすのだろう。

鏡の池

ライコット・サライ隣の牧草地の奥に、湖(Reflection Lake)がある。そこで水面に写った山の写真を撮るのが定番でもあり、フェアリーメドウ紹介の写真によく使われる。実際行ってみると、長さ10mくらいの池で、LakeというよりPond。夏場は2,3倍大きくなるらしいが、それでも小さい。とはいえ、前方の山すべてを捉えるには十分な大きさで、実際以上にきれいな写真が撮れる。Fairy Meadow Lakeと呼ばれる、もう少しましな大きさの池があるのだが、高い木に囲まれており、ナンガ・パルバットは水面に映らない。


写真: Reflection Lakeに写るナンガ・パルバット

フェアリーメドウの真実

  • 真実5: Reflection Lakeはだだの池だが、まあまあ使える。

 

フェアリーメドウ

ホテル一覧

  • Raikot Sarai
  • Fairy Meadows Cottage
  • Green Land Camping Site
  • Fairy Meadows Broad View Hotel
  • Fairy Meadows View Point Hotel

食事

よくわからない。今回、宿の人と食事を共にしたため、注文できる環境になかった。メニュー表は見ていないが、山価格であることは間違いない。夕食は、ジャガイモを煮たもの(aloo sabzi)にチャパティ。実質食べ放題で、140ルピー。朝食は食べていないが、プリー、ジャム、オムレツ、紅茶で100ルピーくらいか。

近くの池

Reflection Lake

Fairy Meadow Lake

Day2: 陽の当たらない世界No.9

ここまで、フェアリーメドウが最強のキャンプサイトであるかのように書いてきた。しかし、私のこれまでのトレッキング体験から言えば、景色の感動は中の下のほうである。なぜなら、ここには、看過できない大きな問題があるからだ。

フェアリーメドウはナンガ・パルバットの北壁を眺める位置にある。この巨大な北壁は見事に真北を向いているため、一日中陽が当たらない。ピークの近くと、周りの山の斜面が朝夕、部分的に日が当たる程度。いつみても暗く、白く輝く雪山の魅力はまるでない。近くの名もない山のほうがまだ見栄えがいい。

山の北側は、雪が解けにくく、年中雪が見えるのがメリットなのだが、ここまで極端だと考え物だ。天気はよかったが、空の色は薄い青。くっきりした写真を撮るのは困難だった。

写真: 左上: 8:50AM。山の東向きの斜面に日が当たる。右上: 9:30AM。やっとキャンプ地に日が差す。左下:3:00PM。午後になっても、北壁の暗さに変化なし。右下: 4:30PM。西日も効果なし。キャンプ地はすでに暗い。

そういえば..何か辺だぞ! と、フェアリーメドウ各ホテルのポスターやカードを見てみると..白く輝くナンガ・パルバットの北壁...。これはありえない。雪山の部分だけ色調修正しているに違いない。この時は「ポスターの写真はインチキ」と結論付けた。下山した後、ネットで画像検索してみると、個人の写真でも、旅行会社の写真でも、全体ではないが、ちゃんと北壁に光が当たっている。季節によって太陽の方向が変わるのは理解できるが、こうも差が出るものだろうか。


写真: 左: View Point Hotelの名刺。東(左)から日が差しているのに、北壁は白く輝く。右: Cottage Hotelの宣伝用ポスター。真っ白

フェアリーメドウの真実

  • 真実6: 少なくとも11月は、ナンガルパット北壁に明るい景色は期待できない。

 

小屋を建てる

  • 小屋は、近くの木を切って大工が建てる。電動器具を使わず、ノコギリで角材を作る。この作業が時間を食うため、完成まで時間がかかる。
  • 屋根は、木の上に白樺の皮を並べてた上に、土を盛る。白樺(birch)の木も近くにあり、表皮は防水に使える。

Day2: 景色をチェック

確かに景色は明るくない。しかし、眺望は開けているので、キャンプ地としての条件は一応クリアーしている。フェアリーメドウから見える山々をチェックしてみよう。この辺りの山々は、稜線を共有しているので、ナンガ・パルバットの一部だと考えられる。それぞれの山頂っぽい部分には名前がついている。

まず、正面に見えるらくだのこぶのような2つのピーク。左がSilberzacken(7597m、East Peak)で右がNorth Peak II(7785m)。これらがキャンプ地から見える一番高い山頂で、麓まで3500mほど落差がある。その麓に、小さなモーレンの丘があり、その手前にベースキャンプがある。肝心のナンガ・パルバットの山頂(8125m)は、もう少し後ろにあり、フェアリーメドウからは見えない。

その左側にある小さな三角のピークがライコット・ピーク(7070m)。ライコット氷河、ライコット川、ライコット橋..このあたりの地名は、すべてこのピークに由来している。ライコットから南側にチョングラ(Chongra, 6455m)の2つのピークがあり、ビューポイントまで行けば見ることができる。

2つのコブの右側にある山はガナロ・ピーク(Ganalo Peak, 6606m)の南側部分。ここの斜面だけ、朝日がまともに当たる。ガナロ・ピークの北西に2つのジュリプル・ピーク(Julipur South - 5206m, North - 5215m)があり、その間のジャリプル峠(4837m)を越えて、向こうの村まで行けるという。最後に、フェアリーメドウの東側にある山がブルダル・ピーク(Buldar 5602m)で、ここから日が昇る。

写真: 2つのコブ山の麓に小さな雪山(モーレン)があり、その手前にベースキャンプがある。山の前の部分はすべて氷河だが、土を被っているため、そうは見えない。

フェアリーメドウの真実

  • 真実7: ナンガルパットの本当の山頂は見えない。

 

補足

  • Silberzackenはドイツ語でサドルの意味らしい。(未確認)
  • ジュリプル峠へは、ベヤルから西へ進む道をとる。峠越えは、一日で行けるらしいが、その後の村からKKHまで一日以上かかる。日帰りがよさそうだ。
  • 谷の逆側(北側)では、カラコルム山脈の西端の部分を遠くに見ることができる。一番左がハラモシュ(Haramosh 7409m)で、一番右がラカポシ(Rakaposhi 7788m)。間にはディランやゴールデンピークなど。そうそうたる山々。ただ、フェアリーメドウからはよく見えない。Veiw Point Hotelから、南側に下った丘や、タト村に帰る途中よく見える。ビューポイントやベヤル村からの眺めが一番よく、谷を下りるにつれ、視界が狭まり、ラカポシが見えなくなる。遠くで薄くしか見えないのが難点だが、山の形ははっきり認識できる。

Day3: ギルギットへの道 前半

タトー村への道

結局、2泊もしてしまった。フェアリーメドウに別れを告げ、ギルギットに戻らねばならない。三日目の朝、オーナーと話し込んでしまい、小屋を出たのが11時。この時は、まだ余裕を感じていた。ホテルの青年コックも下山するというので、一緒に行くことにした。彼はしばらく不要になるAIWAのコンポを村に持ち帰るようだ。

今回は、歩き易い通常ルートを通って村まで行く。コック君はミニコンポをシーツで包み、首の後に乗せて歩いていく。江戸時代の泥棒のようなスタイルだが、歩くスピードは忍者並みに速い。なんとか遅れずについていき、1時間ちょっとでフェアリーポイントに到着。さらに30分程歩いてタトー村までたどり着いた。

写真: 通常ルートで下る。

ライコット橋への道 前半

さて、ここからは、いくつか選択肢がある。そのまま歩いて下るか、有料ヒッチを試みるか。この時期、間近に迫ったノーザン・カウンシルの選挙のため、政党のキャンペーンカーが頻繁に村を行き来している。したがって、有料ヒッチはそれほど難しくない。一方、歩いてみたい気持ちもある。というのも、人によって、所要時間の目安が全く違うからだ。ロンプラには、ライコット橋からフェアリーポイントまで4時間と書かれている。 ホテルのオーナーは、最低5時間UP, 4時間DOWNという。トレッキング・ガイドでもある彼の言葉を信じたいところがだ、他の人がこぞって短めの時間を口にするからややこしい。ある地元の男性は3.5-4時間で下れると言い、ある若者は、急げば2.5-3時間だと自信を持って言う。

始めは、チラスに向かうカーゴジープがあるというので、出発を気長に待っていた。30分待っても出発する気配がないので、諦めて歩き始めた。ちょうどその時、いいタイミングでキャンペーン・ジープがやってきた。ジープを止め、コックの青年がドライバーと交渉し、500ルピーで話がまとまった。値段はOKなのだが、私の座る場所がない。助手席にはすでに3人座っており、荷台には、ポテトを入れた袋が山積み。その上に無理やり2人座っている。どうも村人のほうが立場が強いようで、コック青年が怒鳴ると、ジャガイモの上に座っていた老人が、しぶしぶ私に席を譲り、運転席横のドアにぶら下がった。

興味深いことに、各政党のキャンペーンカーはタトー村まで来るのが許されている。その代わり、村民の荷物をただで運ばなければならない。私は、村の入り口で、ポテトを積まされた車をたまたま捕まえたのだ。荷台のポテト席に座り、ジープは出発した。イモ袋の山の上は不安定なものの、車はゆっくり走るのであまり危険を感じない。私がカーブで振り落とされる前に、車体にぶらさがっている老人が谷底に落ちるだろう。ジグザグの道を下り、高度を下げていく。この後、谷沿いの道をKKH方向にゆるやかに下っていく。そろそろペースを上げようか、という所で車は突然パンク。もちろんスペア・タイヤなどない。

写真: オープンジープで坂を下っていく。

ライコット橋への道 後半

ドライバーを残し、4人はライコット橋のほうへ、1人はタトー村のほうへ歩き出した。一緒に残ったドライバーは英語が話せず、状況がわからない。その上、粗雑な性格で、少し会話するだけでイライラさせられる。30分待ってみたが、すぐに応援が来る気配はない。時間もないので、ここから歩いて下ることにした。歩き始めると、ドライバーは、私の行く手を塞ぎ、200ルピー請求するのを忘れなかった。

ここまで20分のノロノロ運転。まだ三分の二は残っているはず。片側が谷で景色が開けているので、歩いていて気持ちいい。谷の終わりは見えており、ずっとなだらかな下り。50分歩いたところで、ライコット橋が見下ろせる丘の上に着いた。ここからまっすぐ下りたいところだが、急な崖で歩ける道がない。ジープ道は左に進み、大きく遠回りしてから橋に戻るようになっている。ひょっとすると、ここでうまく近道するかどうかで歩行時間に大きな差が出てくるのかもしれない。そのままジープ道を進み、途中で、一段下の旧道に降りてから、まっすぐに下る近道を見つけた。ジープ道をそのまま歩くより数百メートル短縮したが、大きな節約にはならなかった。丘の上から橋まで40分で到着した。

写真: 丘の上まで歩きやすい緩やかな下り道。

所要時間の実際

さて、誰が正しかったのか。ジープがパンクした場所から1時間30分歩いた。前半部分、ジープの3倍の時間で歩いたとして、1時間。フェアリーポイントから村まで30分かかっている。合計すると、3時間。こう考えると、最後の若者の"急げば2.5-3時間"というのが一番近そうだ。登りの所要時間は、なんとも言えないが、下りの時間を1.5倍して、4.5時間。この辺が最低ライン。下りで取った近道が登り難い場合、または近道を見逃した場合、さらに時間がかかるだろう。平均的な人なら6-7時間+休憩を見ておいたほうがいい。フェアリーメドウまでさらに2時間あるので、徒歩の選択肢は最初からあきらめたほうがよさそうだ。

フェアリーメドウの真実

  • 真実8: 橋とフェアリーポイントの移動は、下りなら徒歩でも可能だが、登りはやめたほうがいい。

歩行時間の目安

ライコット橋 - フェアリーポイント 

  • 6-7H(予想)

フェアリーポイント - フェアリーメドウ

  • 2-2.5H (ロンプラ)

フェアリーメドウ - ビューポイント

  • 2H (ロンプラ)

フェアリーポイント - ライコット橋

  • 4.5H(予想)

以上、休憩時間含まず

Day3: ギルギットへの道 後半

ギルギットへの道

さて、ライコット橋まで来れたのはいいが、ここからギルギットまでは、バスや車を捕まえなければならない。チラス->ギルギットの乗り合いワゴンは一日数本あるはず。ただ、午後の遅い時間にあるかどうかはわからない。また、仮に一本くらいあったとしても、途中乗車のため、屋根の上に座る可能性が高い。KKHの中で最も道の悪い区間、屋根にしがみついて3時間過ごすのはおそらく地獄だろう。ということで、ヒッチハイクで帰ることにした。

ヒッチを選択したものの、午後のKKHは交通量が少なく、たまに来る車もなかなか止まってもらえない。一台、休憩で止まっているトラックがあったが、スカルドゥ行きで、せいぜいジャグロット(Jaglot)までしか役に立たない。橋の周りには、ジープドライバーや警官もいるのだが、皆私に無関心で、ヒッチハイクを手伝ってくれそうな雰囲気は全くない。もうすぐ5時、私に残された時間は少ない。フレンドリーなトラックドライバーにジャグロットまでの乗車をお願いしようとした矢先、一台の白いトラックがやってきた。手を上げるとあっさり止まってくれ、行き先も確認せぬまま、「乗ってけ」と目で合図した。

中に乗り込み挨拶すると、運転手は中国人。彼はピンディまで商品を運び、中国に帰る途中だと言う。何かいつもと違う感じがする。乗っているうちに、だんだんその理由に気づいてきた。まず、車が三菱の新しめのトラックで、全く装飾がない。そのまま日本の高速道路を走っていてもおかしくない。派手派手トラック全盛のパキスタンだと、それが逆に目立っている。次に、車が左ハンドルであること。ドライバーは左側通行の道路を、窮屈そうに運転する。もちろん中国で登録された車なので、窓には車検証明が張ってある。運転手は、中国のどこにでもいそうな、気のいいおじさん。KKHで働く同胞が、どこかやさくれていて話しかけにくいのとは対照的だ。

写真: 三菱トラックからの風景。窓が大きく、車内は快適。

中パ男気対決

どうも彼は困っている人を見るとほっとけないようで、徒歩でKKHを移動しているパキスタン人を見ると、止まり、「荷台に乗ってけ」と目で合図する。このシンプルな好意に英語もウルドゥ語も不要だ。新疆の音楽を聞きながら、車は北上し、1:20分後、やっとジャグロットの町を通過。7時には真っ暗になり、孤独感たっぷりの夜のKKHを進む。他の車のヘッドライトと対岸の村のわずかな明かり以外、何も見えない。そんな道を1時間程走ると、遠方にギルギットの明かりが見えてきた。結局3時間以上かけてギルギットとフンザとの分岐に到着した。

ススト方面に向かう運転手に礼をいい、ギルギット方面に歩く。ギルギットの町はKKHから10km程離れており、ここから歩きながらヒッチハイクする。真っ暗闇の中、中国人労働者と100%勘違いされ、誰も止まってくれない。最後は、それを承知で乗せてくれたギルギットの会社社長のジープに乗り、ホテルに到着した。時計を見ると、8時半を回っていた。

親切な人は必ずいるもので、それがヒッチハイクの旅を可能にしてくれる。KKHを中パの友好道路とすれば、旅行者の私はそのおこぼれを与ったことになる。

フェアリーメドウの真実

  • 真実9: ライコット橋からの戻りの気苦労は覚悟しといたほうがいい。

 

補足

  • 唯一の装飾が、サイドミラーに巻かれた赤い布。これは中国人の間で、何か意味があるのだろうか。

まとめ

評価

二泊三日の小旅行。いつもほど歩かなかったので、箱根へでも行ってきたような気分だ。一日目と三日目は、ほぼ移動だけで終わってしまった。一見大変そうだが、移動さえ手配されていれば、実際に歩くのは往復4時間だけ。朝早く出れば日帰りも可能なのである。これを最後の真実にしておく。

今回は天候にも恵まれた。世界一安近短な8000mトレッキングは、まあ納得の内容だった。ポーターの大名行列を組まずに、世界第9位の山の麓でキャンプができる。しかも、山小屋は一年のうち半分は営業している。ただし、向こうに見えるのはナンガ・パルバットのダークサイド。それを承知で行くのなら、万人に薦められるトレッキング・コースといえよう。

フェアリーメドウ 10の真実

最後に、今回学んだフェアリーメドウのの真実をまとめてみた。

  • 真実1: オフシーズン、ホテル休業中でも来れる。
  • 真実2: 走ってきた車に乗るという"有料ヒッチ"という第三の手がある。ただし、運次第。
  • 真実3: 携帯電波、電源あり、の驚きのインフラ。
  • 真実4: View Pointは氷河のビューポイント。ナンガ・パルパットは良く見えない。
  • 真実5: Reflection Lakeはだだの池だが、まあまあ使える。
  • 真実6: 少なくとも晩秋は、ナンガ・パルパット北壁に明るい景色は期待できない。
  • 真実7: ナンガ・パルパットの本当の山頂は見えない。
  • 真実8: 橋とフェアリーポイントの移動は、下りなら徒歩でも可能だが、登りはやめたほうがいい。
  • 真実9: ライコット橋からの戻りの気苦労は覚悟しといたほうがいい。
  • 真実10: お金を惜しまなければ日帰り可能。

以上の点に注意して、それでは、よい旅を。

総費用

交通

行き:ワゴン(130), ジープ(1000)

帰り: ジープ(200),ヒッチハイク(0)

小計: 1330

ホテル

宿: 一泊700x 2 = 1400ルピー

夕食: 140ルピー x 2 = 280

小計: 1680

 

合計: 3010ルピー

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