キング・オブ・茶畑 リプトン農園を散策


ハプタレーの中心から11kmの所に位置するリプトンのダムバテンネ工場。 紅茶作りの工場見学も行っているが、この茶農園最大の見所は、工場の背後に広がる一面の茶畑。そして、その茶畑を約7キロ歩いた先にあるリプトンズ・シートと呼ばれる展望台だ。午後の強い日差しの中、茶畑だらけのトレッキングに挑戦した。



旅行時期: 2009年2月前半
為替: 1ルピー = 0.83円
作成日: 2009.06.02

目次



アクセス

まず、列車かバスでハプタレー(Haputale、1580m)に向かう。そこから先、トゥクトゥクから声がかかるかもしれないが、一応バスも出ている。工場行きのバスは、バスターミナルから50mほど離れたダムバテンネロード(Dambatenne)から出発する。一日何本か走っており、自分は11:30発の便に乗った。バスは景色のいい山の斜面を走り工場に向かい、30分ほどで終点のリプトン工場に到着した。

 

工場

工場は背後の畑から集めた茶葉を処理し、大きな袋に詰めて出荷されていく。ここの工場見学は高い割には、不親切でお茶の試飲もない。工場は週末閉まっており茶摘も行われないが、茶畑やリプトンズ・シートには自由に行くことができる。

工場

  • 日曜休業。たぶん土曜も。
  • 工場見学: 200ルピー。お茶の試飲なし

お茶の葉を乾かす工程

リプトンズ・シートへの道 前半

目的のリプトンズ・シートは、農園を7kmほど歩いた先にある。道路は舗装されているので、車やトゥクトゥクで行くこともできる。トゥクトックは工場前に1、2台いるが、決して安くない。

工場前の道路をまっすぐ進み、裏の茶畑に入る。そこは三方山に囲まれ谷のようになっていて、棚田のような茶畑が広がっている。見渡す限り緑でなんとも爽快。途中、男性の茶摘みグループに遭遇した。茶摘みは女性だけの仕事ではないようだ。みなさんとってもフレンドリー。道しるべに従い、畑の間の道路をジグザグに登っていく。丘をこえて、向こうの山まで茶畑は続いている。


前半の道

トゥクトゥクで行く家族連れ

スロープを登り、丘の向こう側に進む。

リプトンズ・シートへの道 後半

丘を越えたら道のアップダウンは少なくなるものの、まだまだ先は長い。あたり一面すべて茶畑の中、トレッキングは続く。定期的に案内標識があり、リプトンズシートまであと何キロか知ることができる。日中、日差しを遮るものがないため、非常に暑い。しかし、日差しの強い時間帯こそ、農園が緑に輝き、一番美しく見える時なのだ。。


後半の道

一面の茶畑。

案内標識。残り1.5km


 

リプトンズ・シート

1時間半ほどでリプトンズ・シートに到着。着いてみればただの人気のない展望台。Lipton's Seatと書かれた木の板の向こうに広々とした景色が広がる。ここは絶壁の端のような場所で、やや靄がかかっているものの、遠くまで見渡せる。眼下の風景もやはり茶畑。 以前、リプトンがここを訪問したことが、この展望スポットの由来になっている。



Lipton's Seat

絶壁の向こうもやはり茶畑

帰り道 前半

帰りは下りなので、できるかぎり近道する。作業用の通路や水路脇の道などをガンガン下っていく。今度は女性の茶摘グループに遭遇。ここでも、みなさんフレンドリーな対応。茶摘はセカセカしないマイペースな仕事なのかもしれない。ある女性に勤務表を見せてもらった。週5日働いて、一日午前、昼、午後の3回計量。一日平均12キロ(パウンド?)の収穫。


帰り道 前半

背中の袋に摘んだ茶葉を入れていく。

なぜか十字架の石碑が

帰り道 後半

工場のある谷まで戻ってきた。ここでも、近道をしながら下っていく。下校時間と重なり、麓の学校から登ってくる生徒と何度 かすれ違った。彼らの両親は、この農園に住み込みで働いているのだろうか。

帰り道 後半

麓の学校

 

The king of 茶畑

最初はカメラを向けると嫌がられるのではと心配していたが、杞憂だった。茶摘の最中でも気軽に写真撮影に応じてくれた。そして最後に住所を書いて渡された。写真をプリントしたら送ってね、ということだろう。ある女性にいたっては、ただ自分の名前の書かれた勤務表の紙を見せられた。その名前宛に工場に送ってちゃんと届くのだろうか。

農園内で多くの大人と会話したが、ほぼ全員穏やかな人達だった。 観光客ずれした人、強引な人、なれなれしい人は一人も居ない。 世の中にはこんな場所もあるのだと、少し驚いた。自然の中に隔離された環境がそうさせるのだろうか。

10キロ以上歩いたものの、地形が変化に富んでいて全く飽きなかった。国内に300はあると言われているティー・ファクトリー。その中でも1,2を争う景色ではないだろうか。予想外に良かったリプトン・ダムバテンネ農園を暫定”キング・オブ・茶畑”に認定したい。

歩きの目安

  • 片道7km。舗装された道を歩く。
  • 急な坂道なし。
  • 所要時間: 登り1.5H - 2.5H
  • 遮る木がないので、日中非常に暑い。
  • 途中、1つだけ集落がある。
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